Nexus Modsニュース和訳:フォースと共に - Kingo64のインタビュー (2020/08/21)
2020/08/21のNexus Modsニュース One with the Force - Kingo64(フォースと共に - Kingo64のインタビュー)の和訳です。
フォースと共に - Kingo64のインタビュー
元記事:One with the Force - Kingo64
投稿者:Pickysaurus(コミュニティマネージャー)
投稿日:2020/08/21 (UTC)
目次
- はじめに
- Alex(Kingo64)さん、本日はご参加いただきありがとうございます。読者に向けて自己紹介をお願いします。
- これまでで一番好きなゲームとその理由を教えてください。
- ところで、あなたはスター・ウォーズの大ファンですね? 本シリーズには多くのゲーム、映画、その他メディアがありますが、お気に入りは何ですか?
- 続編3部作はスター・ウォーズファンの間でも賛否両論でしたが、あなたはどう思いますか?
- MODの話ですが、あなたはOblivionの全盛期に小さな互換パッチからモッディングを始めました。それからBlade & Sorceryと出会うまで、多くのモッディングをしていましたか?
- Blade & Sorceryと出会ったきっかけは? 折にふれて何度も遊んでしまうゲームは?
- まだプレイしたことのない人のために、あなたの最大のMOD、The Outer Rimについて教えてください。
- The Outer Rimは大成功を収めました。制作に取り掛かったとき、これほど人気が出ると想像していましたか?
- 一人で作業されているのですか? それとも他の制作者との共同作業ですか?
- 他の人によって制作された、The Outer Rimを拡張したり、スター・ウォーズ関連のものを新たに追加したりするMODがたくさんあります。お気に入りはありますか?
- U8がリリースされた今、魔法システムを使った新たなフォース・パワーの追加予定はありますか?
- The Outer RimのU8対応アップデートの状況は? みんなが待ち望んでいます。
- Blade & SorceryのMODを作ろうとしている制作者にアドバイスはありますか?
- コミュニティに言っておきたいことはありますか?
- 最後に
はじめに
今回のインタビューでは、Blade & Sorceryで一番人気のあるMOD、The Outer Rimの生みの親であるKingo64氏にお話を伺った。これはスター・ウォーズ・オタクである僕が長い間追いかけてきたMODだ。
Alex(Kingo64)さん、本日はご参加いただきありがとうございます。読者に向けて自己紹介をお願いします。
やあ、Alexだ。僕はフルタイムのソフトウェア開発者で、Blade & SorceryのDiscordサーバーでかなり認知度の高いメンバーだ。1年ほど前からBlade & Sorceryのモッディングを始めて、The Outer Rimに着手してからは「自由な時間」の概念を消し去った。僕には「ちょっとした個性がある」と言われていて、長年にわたってモッディングコミュニティで多くの友人に恵まれてきた。とりわけ今では廃れてしまったFacepunchというフォーラムではそれが顕著だ。
僕はかなり恵まれていて、幼いころからコンピューターとビデオゲームに囲まれて育った。(当時は)インターネットがなかったので、ゲームの悪役を自分のペット犬にするには、自分で何かを理解し、ゲームファイルを探して、どれが変更できるのかを確かめる必要があった。
ゲーム業界でフルタイムで働きたいかどうかまだ確信が持てないが、その気になればいつでも可能性はあるんじゃないかな。常にチャンスはあるものさ。
これまでで一番好きなゲームとその理由を教えてください。
好きなものを選ぶのが苦手なんだ。一番好きなのは、ロールプレイングゲームと、一人称視点のシューティングゲームかな。膨大なリストの中にフライフィッシングの釣り糸を投げて、何が掛かるか見てみようか。
マルチプレイヤーゲーム
- Unreal Tournament‘99
- Quake 3 Arena
- Battlefield 1942 & 2
- Halo: Combat Evolved
- Garry's Mod
- Worms Armageddon
シングルプレイヤーゲーム
- Half-Life 1 & 2, Opposing Force, Blue Shift, Black Mesa
- S.T.A.L.K.E.R. シリーズ
- The Elderscrolls III: Morrowind
- Star Wars: Knights of the Old Republic シリーズ
- The Witcher 2 & 3
- Id Tech 3 のクラシック: Jedi Knight シリーズ, Call of Duty + United Offensive, Return to Castle Wolfenstein, Soldier of Fortune 2: Double Helix
- Splinter Cell: Chaos Theory
TEDxみたいなトークは抜きにして(ゲームについての主観的な話を聞きたければTEDxに招待してくれ)、ズバリ要約すると、ゲームプレイを楽しむか、ストーリーを楽しむか、雰囲気や世界の作りを楽しむかのどれかになる。上記のゲームには長く思い出に残るユニークな体験があって、雨が降ることを願ったり、再びゲームを始めるきっかけを与えてくれるものだ。もしまだプレイしていないなら試してみるといい。かなり面白いから。
ところで、あなたはスター・ウォーズの大ファンですね? 本シリーズには多くのゲーム、映画、その他メディアがありますが、お気に入りは何ですか?
実は、このプロジェクトを始めたときにはそれほどのスター・ウォーズオタクではなかった。だが、スター・ウォーズの拡張世界、伝承、正典に沿った形でThe Outer Rimを作るために、かなりの量の伝承、Wiki、書籍を研究することになったんだ。事実検証なら大歓迎だ。
TVシリーズ「クローン・ウォーズ」を見ていないなら是非見てほしい。特に、時系列的に再構成された"Ultimate Episode Order"がお勧めだ(オンライン上で見つかる)。これはスター・ウォーズの世界を見事に肉付けしていて、覚えておくべき前作の登場人物に関するしっかりとした背景を提供してくれる。このTVシリーズは映画よりも間違いなく優れているよ。
先ほどのゲームでも触れたけど、Jedi KnightシリーズのJedi Outcast / Jedi Academyは、Knights of the Old Republicシリーズと並んでとてもお勧めだ。ゲームプレイのデザインに関しては、これらがThe Outer Rimの主なインスピレーションの源となっている。
続編3部作はスター・ウォーズファンの間でも賛否両論でしたが、あなたはどう思いますか?
続編3部作には、実に多くの人々が複雑な感情を抱いている。若い視聴者にとっては、これから何が起こるのか、誰が登場するのかといった事前知識がないので、目をキラキラさせて大画面でスター・ウォーズの世界を見ることができるだろう。そういった人たちにとってはすべてが初めてのことであり、何もかもが素晴らしく見える。彼らが成長して映画館で「スター・ウォーズ・エピソード7」を見るとき、かつて年配の人達が不平不満を言っていたのを懐かしく振り返ることだろう。ファントム・メナスが公開されたときも同じことが起こったし、今から15年後、次世代の子供たちのために別の3部作が発表され、暗黒卿ダース・プレイガスの死体が再び動き出したときにも、同じことがまた起こるだろうね
個人的には、続編は恐ろしく精彩を欠いていて失望すべきもので、長年にわたって築き上げてきたスター・ウォーズのエコシステムを意図的に裏切るものだと感じていた。一部の人々が頭を抱えながら何もなかったことにしたがるのも無理はない。どの登場人物も好ましくないか記憶に残らないかのどちらかで、カイロ・レンを除けば、レヴァンの二番煎じにしか見えない。物語の展開は稚拙で、強引で、ほとんど無意味なものだった(特に最後のジェダイ)。オリジナルの3部作と前作からの脱却を図るため、「過去を捨てて過去の記憶を一掃する」という、非常に明確な意図があった。彼らの意図は、新たな物語を語るための新たな基盤作りだったと理解しているが、残念ながら最終的には何もかもが裏目に出てしまった。特にRed Letter Mediaは、最近の映画についての示唆に富んだかなり良い要約を提示していて、僕の意見とほぼ一致している。
それでもローグ・ワンは素晴らしかったよ。よくやった。
MODの話ですが、あなたはOblivionの全盛期に小さな互換パッチからモッディングを始めました。それからBlade & Sorceryと出会うまで、多くのモッディングをしていましたか?
率直に言うと、安定したインターネットが普及する前の暗黒時代、雑誌にゲームの入った付録ディスクがついていた時代からゲームの改造をしてきた。次のゲームを待つのではなく、マップやキャンペーンのカスタマイズ、ゲームバランスの微調整、アセットの変更など、可能な限り自分で新しいコンテンツを作ることに意味があったんだ。その頃のゲームは現在のようにアップデートの繰り返しによって常に新鮮に保たれることはなく、最終版の配布コピーとしてリリースされることが多く、拡張パック以外のパッチが入手できないことがほとんどだった。
大体において、僕がMODを作るのは個人的に使うため、友人に配布するためのものだ。多くの場合、そのMODは個人的な意見によるゲームプレイの微調整であったり、他のMODをまとめたものであったり、単にアップロードする価値がないからだ。もう一つの大きな要因として、ここ数年でアップロード速度が大幅に向上し、瞬く間に情報を送れるようになったことがある。
Oblivion時代から今までに僕がリリースした名の知れたMODは、STALKER Shaders MAXとして知られる、S.T.A.L.K.E.R. Shadow of ChernobylとS.T.A.L.K.E.R. Clear Sky用のシェーダーパッケージで、主にパフォーマンスの向上とグラフィックの改善に焦点を当てたものだった。当時ゲームをプレイするのに苦労していた、ローエンドのグラボ 7300GTとミッドレンジのグラボ 9600GTの必需品だった。
とは言っても、ほとんどはただのんびりして、創作意欲が湧いてくるまで他の人のMODを楽しんでいた。社会生活、仕事、家族、友人、趣味の時間を両立するのは難しいものだよ。
Blade & Sorceryと出会ったきっかけは? 折にふれて何度も遊んでしまうゲームは?
VRゲームのライブラリを増やしたくて気まぐれで購入したんだけど、このゲームの特徴と言える洗練された近接戦闘の楽しさに驚いた。流れるような近接戦闘の本物らしさは、Boneworksといった他のゲームや、Half-Life: Alyxのようにそれを試す度胸さえない他のゲームとは一線を画している。
現在はまだサンドボックスゲームだが、これまでプレイしたどのVRゲームよりもリプレイ性が高いことが分かった。これは優れた近接戦闘とアイテム操作をどこように実現すべきかという前例を作ったように思う。VR型FPSの世界ではPavlov VRが可能性を秘めているものの、いまだにCounter-Strikeの考え方に囚われているし、Hot dogs, Horseshoes and Hand Grenades (H3VR)は公園を散歩するQWOPのような操作性だ。個人的には、VRゲームをプレイしたいときにオンラインのマッチ対戦はあまり求めておらず、それを手に取って自分のしたいように遊びたいだけだ。これがBlade & Sorceryで実現されたものであり、ストーリー主導型のVRタイトルで見たいリプレイ性なんだ。
Blade & Sorceryのメジャーアップデートごとに、リリースされたバージョンに何が期待できるかを垣間見ることができた。ロードマップは非常に有望で、早期アクセスが実現した後の発展が楽しみだ。過去1年間、主要な開発者と何度も話し合った結果、彼がゲームプレイの設計、決定および方向性について私と同じ意見を共有していることを知って安心した。ゲームは良い方向に進んでいると確信している。
ゲームにおけるMODサポートは見事だ。このゲームのニッチな性質を考えると、そのモッディングコミュニティの規模に驚くばかりだ。積極的な姿勢と公開されたSDKでゲームを構築することが、コミュニティを強化し、魅力を広げ、最終的には誰にとってもより多様で楽しい体験を提供する結果になるということを証明している。
まだプレイしたことのない人のために、あなたの最大のMOD、The Outer Rimについて教えてください。
The Outer Rim (TOR)は、Blade & Sorceryに膨大な量のコンテンツを追加する、スター・ウォーズのトータルコンバージョンMODだ。100種類以上のライトセーバーに加え、さまざまなブラスターやその他のアイテムを追加する。このMODには、カスタムマップ、オプションのプレイヤーホーム、カスタムNPC、それにアリーナウェーブも含まれ散る。まだ活発に開発が続けられていて、まだリリースされていない多くのコンテンツが計画されている。
細部までこだわり抜かれた、本ゲーム用の最大のMODであることは間違いない。
スター・ウォーズが好きならやってみよう。
スター・ウォーズが好きでなくても、とりあえず試してくれ。
まだゲームを持っていなくても、VRセットがあるなら、ゲームを手に入れてこのMODを試してくれ。それだけの価値がある。
VRセットを持っていない場合は、申し訳ないが友人の家でプレイしてみては?
The Outer Rimは大成功を収めました。制作に取り掛かったとき、これほど人気が出ると想像していましたか?
Blade & SorceryのDiscordサーバーでは、The Outer Rimがリリースされた暁には大ヒットすることがかなり明白だった。僕がまだSDKとUnityを学んでいた頃にリリースしたプロトタイプの武器、Lightsabers U6とE-11 Blaster Rifleは来るべきもののヒントとなった。MulleDK19のMjolnirをはじめとするいくつかの例外を除き、スクリプト化された武器の革新と品質が今日のようなものではなかったことを考えると、これらのMODは概ね成功だった。
予想外だったのは、現実の生活の中でこのMODを見分けた仲間に僕が制作者だと気づかれたことと、Redditのようなサイトにアップロードされたゲームのプレイ動画が、どれだけ広範な影響を与えるのかということだった。ユーチューバーが「スター・ウォーズ VR MOD」をプレイしたとき、自分のYouTubeのフィードにダイレクトに影響が及ぶのを見るのはかなりシュールな体験だ。
一人で作業されているのですか? それとも他の制作者との共同作業ですか?
主に一人でプロジェクトを進めている。MODに何か不満があったとき、自分を責めるしかなく、自分で改善して解決するしかないと知っていると、ある種のカタルシスがあるんだ。多くの可動部分を持つ大規模プロジェクトを管理するのは難しい事ではないが、習得するのが難しい、非常に時間のかかる作業だ。3Dモデリングやテクスチャ制作については、僕よりもずっと良い仕事ができそうな人に手を広げた。
このMODの長期的な協力者の一人にPlasmaがいる。彼はJedi Knightコミュニティで有名なモデラ―で、次のメジャーバージョンでリリース予定のアイテムのうち、ライトセーバーの柄の対部分のモデルを制作した。他にも、Sakhado, uiojkl09 (Butters), Vale-X, Spongyなどが、このMODにアセットを提供している。
他の人によって制作された、The Outer Rimを拡張したり、スター・ウォーズ関連のものを新たに追加したりするMODがたくさんあります。お気に入りはありますか?
吊し上げられないといいが、実は他のスター・ウォーズMODをプレイしたことがないので、その質問には答えられない。正直、ベースゲームをプレイする時間も、自分のMODを開発/テストする以外にプレイする時間もあまりなかったので。
U8がリリースされた今、魔法システムを使った新たなフォース・パワーの追加予定はありますか?
ああ、それは1年以上前から計画されていて、今後予定されているゲームバージョン U9 で提案されているスキルツリーに深く関わっていくつもりだ。MODの次のメジャーバージョンであるTOR 3にフォース・パワーはないが、ブラスターに焦点を当てていて、価値あるものになるはずだ。計画済みで未実施の大量の項目は、控えめに言っても気の遠くなるようなもので、誰にとっても刺激的なものだ。
フォース・パワーで何ができるのかを知りたければ、JediJedi KnightとKOTORシリーズをプレイすればいいよ。
The Outer RimのU8対応アップデートの状況は? みんなが待ち望んでいます。
MODの次の主要な拡張パックとなるClone Reinforcementsは、内容な機能に関してはほぼ完成しているが、U8による変更の規模により、MODを実質作り直すことになってしまい、すべてのファイルに対して互換性を確保するための修正が必要となった。MODが根本的に役に立たなくなってしまったんだ。
U8によって与えられたものと奪われたもののおかげで、MODが完全にプレイできなくなり、僕の期待に応えることができなくなった。多くの課題と問題に直面し、今もまだ存在している。U8のリリース以来、ゲームの開発者と連絡を取り合い、作業を加速させるために可能な限りの問題を報告し、解決しようとしてきた。U8.4で修正されることを期待している。
結局のところ、U8.4によってどれほど大きな変化がもたらされるのか、何が追加されるのか、何が動作して何が壊れるのか、どれだけ解決するのか、僕には分からない。それが大きなものであると判明したら、数ヶ月後戻りすることになるかもしれない。これは「いつたどり着くのか?」というゲームだよ。車がエンストして煙を吹いているが、後ろの子供たちはディズニーランドに行きたいだけなんだ。
Blade & SorceryのMODを作ろうとしている制作者にアドバイスはありますか?
MODのアイデアがあるなら、まずは自分でトライしてみよう。挑戦として受け止めてくれ。確かに時間がかかるし、難しいかもしれないが、実際に努力をすれば達成できることや、学習して改善することの容易さに驚くはずだ。Unityやモッディングに関する膨大な量のチュートリアルや学習教材がある。
Blade & Sorceryのモッディングに関する情報は、公式SDKや、Blade & Sorcery Discordサーバーの#modding-howtoと#mod-helpセクションで見つけることができる。
コミュニティに言っておきたいことはありますか?
VRゲームがより魅力的になり、ハードウェアがより手頃な値段で入手できるようになったことで、ここ数年でVRコミュニティが大きく拡大している状況は非常にスリリングだ。VRセットを持っている人はぜひこのゲームを試してほしい。とても楽しく、リプレイ性が高く、モッディングの腕を発揮するのに最適な場所だ。僕たちは常に新しいモッダーを歓迎している。よく言うだろう。「多ければ多いほど楽しい」ってね。
素敵なコメントを残してくれたり、時間を費やして他の人を助けてくれたり、寄付をしてくれたり、友人や愛する人にこれを共有してくれた方々に感謝する。これは良い時間、良い思い出を共有し、願わくば何らかのかたちで人々に感動を与えたいという意図を持つ情熱的なプロジェクトなんだ。
疑問を持っている人のために言っておくが、僕はすべてのメッセージを読んでいる。全員に返信する時間がないだけなんだ。みんなから寄せられたアイデア、批判、賛辞を無視することは決してないから安心してほしい。
最後に
時間を割いてインタビューに応えてくれたKingo64氏に大いなる感謝を。
紹介してほしいMOD制作者やプロジェクトがあれば、BigBizkitまたはPickysaurusまで提案してほしい。
以上