Nexus Modsニュース和訳:注目のプロジェクト - iEquip
2019/08/16のNexus Modsニュース Project Spotlight: iEquip(注目のプロジェクト - iEquip)の和訳です。聞き手はBigBizkit。
注目のプロジェクト - iEquip
元記事:Project Spotlight: iEquip
投稿者:BigBizkit (コミュニティマネージャー)
投稿日:2019/08/16(UTC)
目次
- はじめに
- BigBizkit: まず最初に、自分の紹介とモッディング遍歴を教えてください。
- あなた方の作品に馴染みがない人のために、どのようなMOD制作しているか教えてください。
- 最近注目を集めているiEquipですが、これはSkyrimおよびSkyrim Special Editionにおける装備管理を刷新するMODです。iEquipとは何か、その主要機能は何かについて説明してください。
- iEquipで一番自慢の機能は?
- どこでiEquipの発想を得たのか、どうして作りたかったのか教えてください。
- iEquipと連携して動作する印象的なMODにGamepad Plus Plusがあります。機能の概要と、両MODの開発プロセスについて教えてください。
- 自分のゲームではどのようなMODを好んで使いますか? 自分のMODとうまく連携できるMODは何ですか?
- 他の制作者のどのようなMODに最も畏敬の念を感じますか? 特に印象に残るMODは?
- 他にモッディングしたいゲームはありますか? 定期的にプレイする他のゲームは?
- モッディングやゲーム以外の趣味はありますか?
- 最後になりましたが、コミュニティに伝えたいことはありますか?
- 最後に
はじめに
本日はSkyrim Special Edition用の非常に賢い装備管理オーバーホールMOD、iEquipのチームを支えるdunc001、MrNeverLost、Fudgyduffの3名にお話を伺った。
BigBizkit: まず最初に、自分の紹介とモッディング遍歴を教えてください。
Dunc001: やあ、Dunc (Duncanの略称) だ。46歳のスコットランド人で、夫であり、父であり、会社の役員でもあるが、正式なプログラミングの訓練はまったく受けていない。これまでしたハッキングといえば、Windowsモバイルフォンのゲームのゴールドを増やすくらいのもので、モッディング経験はスカイリムが初めてで唯一のものだ。専用ゲーム機からPCに乗り換えるまで、モッディングシーンがあることすら知らなかったので、利用可能なコンテンツの量に心がぶっ飛ばされたよ。2年前にXBoxを捨ててPCに乗り換えて以来、かなり馬鹿げたロードオーダーを作り、Creation KitとxEditの内や外を学んできた。
Fudgyduff: やあ、Ryanだ。NexusではFudgyduffを名乗っている。モッディングシーンに関わり始めたのは、QuickLootをSkyrim Special Editionのポーティング作業を始めたときからだ。モッディングもプログラミングも未経験なこともあって、かなり大変だった。大学で主にC++プログラムの作り方を学んでいたが、SKSEプラグインの開発によって、授業で学んだ理論を強固なものにすることができた。さらに、これまで知らなかった言語について多くのことを学んだ。
MrNeverlost: まずは呼んでいただいたことに感謝したい。名前はNeverlost、ノルウェー在住の22歳の大学生だ。これまでモッディングプロジェクトに参加したことはないので、Nexusで私のことを知る人はほとんどいないだろう。かなり不器用な男だから、きっとそれが一番だ(笑)。Duncなら請け合ってくれるはずだ。
モッディングの旅は、おそらくPS3で最初にプレイしたOblivionから始まった。最初からどっぷりハマったけれど、Skyrimがリリースされるまで自分のMODを作成することはなかった。
xEditで単純なパッチを作ることから始めてCreation Kitに移り、去年ようやくPapyrusスクリプト(Skyrimのスクリプト)に挑戦した。それからDev Avezaという飛行船MODのLOD(遠距離用オブジェクト)の実現のためKojak747に支援を求めた。その時、彼らからDuncという男がiEquipのために助けを必要としていると聞いた。あとはご存知のとおりだ!
あなた方の作品に馴染みがない人のために、どのようなMOD制作しているか教えてください。
Dunc001: 僕はいわゆる「生活の質」MOD、UI MOD(当然だね)、それに制御系MODを作っている。
Fudgyduff: よく作るのはSKSEプラグインだ。
MrNeverlost: 僕は自分のゲームに必要な、あるいは欲しいMODを作る(ゲームのキャラはまだレベル2だけど)。自分のゲームで隠密キャラを使いたくてSlick Sneakingを作った。Vurtの頼みでBent Pines IIのために枝のアニメーションを作り、巨大な木が枝を揺らさないのはけしからぬことだと理解した。JohnのJS Dragon Claws SEの完全なパッケージが欲しくて、足りなかったアメジストの爪を作った。そして最後に、チャンスを得てiEquipに参加した。これがスゴいMODだってことをお忘れなく!
最近注目を集めているiEquipですが、これはSkyrimおよびSkyrim Special Editionにおける装備管理を刷新するMODです。iEquipとは何か、その主要機能は何かについて説明してください。
Dunc001: iEquipは、インベントリメニューの装備管理を可能な限りHUDに移動して、ゲームプレイの中断/再開/一時停止を減らすことを目的としている。これを使えば、ゲームを中断することなく左右の手のアイテム/シャウト/パワー/矢/薬/消耗品を循環させたり、武器に毒を塗ったり、付呪アイテムを再充填したりできる。また、遠距離武器、盾/シールド呪文、たいまつ、回復薬/呪文を素早く装備するなど、あらゆる状況に応じたアイテムを素早く装備するための高度な機能が幅広く用意されている。
iEquipで一番自慢の機能は?
Dunc001: 一番の誇りで実現に最も時間のかかったものは、ほとんどのユーザーがあまり注意を払わない要素だ。編集モードの選択項目の強調表示、キュー管理メニュー、事前選択モードのアニメーション、編集モードのカラーピッカーのカスタムカラーなどは、ゲーム関連の機能以上に時間がかかった。どの機能も満足のいくものだが、ひとつお気に入りを選ぶとすれば毒のシステムだろう。Complete Alchemy & Cooking Overhaul、Smithing Oils、Tactless ToxinsといったMODには、バニラのダサい毒システムでは決して得られないような面白い毒があるので、この機能によってゲームプレイにおける毒の利用がより実用的になることを願っている。
MrNeverLost: 気づく人はほとんどいないだろうが、iEquipのMCMはかなり巨大なため(スクリプトの上限をも超えている)、バックエンドの処理をより小さく管理しやすいパーツに分離する新たな手法を見つける必要があった。そして実際にそれを実現し、増え続けるオプションの管理を維持するのに非常に役立つことが判明した。これは僕の正気を保つのに役立つし、自分の求める最高のものだ!
どこでiEquipの発想を得たのか、どうして作りたかったのか教えてください。
MrNeverLost: おそらくDuncが答えるのがふさわしいが、個人的にはきちんとしたUI/装備MODをリリースしたくてプロジェクトに参加した。他の多くのMODが直面するであろう、Skyrimの数々の奇妙な問題を回避できるものを作りたかった。
Dunc001: これまでHUDタイプのインベントリスロットやアクション制御を使ったモバイルゲームを数多くプレイしてきたが、素早くてゲームが一時停止されないのが大いに気に入った。初めてインストールしたMODはSkyUIだったが、ほどなくしてSouls Quick Menuを発見した。このアイデアが本当に気に入ったものの、僕の環境では完璧に動かなかったし、レイアウトにそれほど満足できなかった。フリーソフトを入手してなんとか微調整することができたが、新たな機能がほしければ独自のMODを作成するしかないことに気づいた。
Souls Quick Menuの作者に連絡すると、親切にも作者はFlashのソースを含むオリジナルソースを提供してくれたので、これを発想の源として利用した(ただし、何度も書き直してずいぶん時間が経っているが)。iEquipに取り組み続けるためのもうひとつの大きな動機とエネルギー源は、絶えまない励ましやテスト、機能の提案をしてくれた息子だった。
iEquipと連携して動作する印象的なMODにGamepad Plus Plusがあります。機能の概要と、両MODの開発プロセスについて教えてください。
Dunc001: Gamepad++のオリジナルバージョンは、実は僕が初めて公開したMODだった。これはゲームパッドプレイヤーがより多くのホットキーにアクセスできるよう設計されているため、ゲームパッドとキーボードを併用する必要がない。仕組みとしては、プレイヤーがあらかじめ他のMODのMCMメニューにキーボードを割り当てておき、ゲームパッドのボタンの組み合わせを押すと、SKSEのTapKey関数を使ってキーボード押下をエミュレートする。
後にiEquipの開発を始めたとき、ゲームパッドプレイヤーが1回押し、2回押し、3回押し、長押しおよびコンボを使って、iEquipのすべてが操作できるようにするつもりだった。当然これはGamepad++に影響を与えるので、競合を避けるためにMODの完全な書き直しが必要だった。これによって2つのMODを統合することができ、操作が重複したり予期せぬ操作がトリガーされる危険を避けることができた。
両MODのキーハンドリング処理の裏にいる真の天才はMrNeverLostだ。iEquipのキーハンドリグ処理は非常に複雑だが、彼はすべてをシームレスに機能させるという素晴らしい仕事を成し遂げた。これにより、MODがお互いに競合しあうのを防止する新たな処理とともに、Gamepad++の新バージョン向けに単純化して移行することがとても簡単になった。
自分のゲームではどのようなMODを好んで使いますか? 自分のMODとうまく連携できるMODは何ですか?
Fudgyduff: 僕は3人称視点でのプレイの大ファンだから、360度アニメーションやヘッドトラッキング、プレイヤー用の音声セットが好きだ。残念ながらMODを作ったおかげでプレイにそれほど時間をかけられないので、どのMODがうまく連携できるかは説明できない。
MrNeverLost: 僕はOrdinatorやApocalypseといったゲームプレイ・オーバーホールをたくさん使って、ゲームに少しスパイスを加えている。グラフィック系MODに関しては、Nexusで見つけたものと自分で編集/修正したものをミックスして使っている。
Dunc001: まず最初に言っておくが、iEquipはほぼすべてのMODでうまく動作するように設計されていて、コンテンツを追加する既存の有名MODのための組み込み機能を多く備えていて、iEquip側での表示や制御が可能だ。さらに、ユーザーがMODで追加されたアイテムや呪文を識別して、必要に応じて特定のアイコンと動作を適用できる、非常に使いやすいパッチフレームワークも備えている。
自分のゲームに関してだが、僕は戦闘では本当に役立たずなので、おのずと探検と発見に興味がある。だからクエスト/ダンジョン/土地追加MODには目がない。都市や町や村のオーバーホールも大好きな僕にとって、KojakのEnhanced Solitudeは天からのマナみたいなものだ。それに素敵な仲間も大好きだから、Lucienと仲良くなっていくのがとても楽しみだし、次回のプレイではInigoとAuriの掛け合いシーンを見るのを楽しみにしている。
他の制作者のどのようなMODに最も畏敬の念を感じますか? 特に印象に残るMODは?
Fudgyduff: Customizable UI Replacerがリリースされたときは本当に衝撃を受けた。僕はダメなアーティストなので、見栄えの良いUI MODを制作できる人たちに嫉妬してしまうよ。
MrNeverLost: MOD自体よりもむしろ制作者に刺激を受けるね。SKSEチームとSkyUIチームがプロジェクトに投入した作業量に常々尊敬の念を感じている。とりわけこれらのMODがSkyrimのすべてのMODのバックボーンになっていることを考えるとね。MODがコミュニティ全体にこれほど大きな影響を与えるとは実に驚くべきことだ。
他にもNukem、Aers、Ryanといった制作者が大好きだ。彼らは「モッディングのテーブル」に多くのものを持ち込んでくれる。彼らがSkyrimのモッディングを良くしようとしてくれていることに感謝するばかりだ。
最後に、友人のKojak、Elsopa、Dunc、Loolandに感謝を。彼らは必要とあらばいつでもテーブルに笑いをもたらしてくれる。
Dunc001: SKSEチームとSkyUIチームが大尊敬に値するのは言うまでもないとして、Ryan、powerofthree、DavidJCobb、aers、Nukem、そしてmeh321といった人々が生み出し続ける作品にも常に驚かされる。彼らの持つ知識とスキルのレベルには度肝を抜かれるよ。また、とりわけ最近リリースされたSpellsiphonのように、制作者がSKSEを使わずにあれだけのことを成し遂げたのが信じられない。
そして最後に、他のみんなが楽しめるように、新たな土地や場所を想像しながらCreation Kitに人生を費やす人々も。巨大なモッディングチームは素晴らしいし、今後リリース予定のコンテンツは間違いなくスゴそうだが、razorkidには脱帽せざるを得ない。彼がほぼ一人でBeyond Reachを実現できたことは実に驚異的だ。
他にモッディングしたいゲームはありますか? 定期的にプレイする他のゲームは?
Dunc001: プレイする時間があまりないし、過去2年間のゲーム時間はすべてiEquipの制作に費やされた。発売されたその日にKingdom Come Deliveranceをダウンロードしたはいいが、まだ起動したことがない。動揺に2年ほど前にOblivionとMorrowindをインストールしたが、どちらも開いたことすらないよ!
MrNeverLost: Rimworldのようなゲームが大好きだが、MODを入れることはめったにない。スカイリムから離れてしっかりと休憩を取り、他のモッディングコミュニティの様子をチェックする。他には、面白そうなRPGを見つけたら何でもプレイする。
Fudgyduff: 他のゲームのモッディングに挑戦したことはあるし、僕のMODにその片鱗が見えるかもしれない。だが、ベゼスダゲームを取り巻くコミュニティとモッディングの可能性を持つゲームは類を見ない。他のゲームのモッディングにはいつもイライラさせられるが、xEditを使ったベゼスダゲームのモッディングで障害となるのは自らに課した課題だけだ。C++は非常に強力な言語で、他のゲームでは不可能なMODを作成できるし、PapyrusやCreation Kitといったゲーム本来のモッディングツールを使うこともできる。
最近はテイルズ オブ ベルセリアをプレイしている。ストーリーの良いゲームが大好きで、このゲームのシナリオと声優は実にすばらしい。
モッディングやゲーム以外の趣味はありますか?
Dunc001: アウトドアだね。僕は心からの山男で、自然の中、とくに壮大な風景の中にいると魔法的な何かを感じるんだ。おそらくスカイリムが好きなのも、スコットランドを思い起こさせてくれるからだね。できるときにはマウンテンバイクに乗るし、妻と娘は馬を持っている。僕たちの生活にとって馬は生活の大部分を占めていて、週末のほとんどは国中を回って競技にいそしんでいる。僕はまた軽飛行機のパイロットでもある。ここ数年は飛んでいないが、そのうち数時間飛んでみたいものだよ。
Fudgyduff: プログラミングが趣味だ。だから自分の持つリバースエンジニアリング/プログラミング経験を駆使して面白い問題の解決に挑戦できるこのゲームのMOD制作を大いに楽しんでいる。何かをコーディングしてコンパイルすれば、動くかどうかすぐに結果が出る。本当にいい趣味だよ。
MrNeverLost: ぜひやりたいね! 前は山に行ってトレッキングしていたけれど、そのうち再開したい。The Elder Scrolls 6が来たらそうしようかな? でも今のところは大学と仕事とモッディングに夢中さ(笑)。
最後になりましたが、コミュニティに伝えたいことはありますか?
Fudgyduff: 恐れることなくSKSEプラグインの開発に挑戦しよう。リバースエンジニアリングの経験がないなら、SKSEのソリューションを開いて使い方や意味のコメントが何もない100ものクラス定義を見て面食らうかもしれない。でも僕はそれを試して諦めずにやり通せて本当に良かったと思っている。僕はSKSEのインターフェースを使うためのチュートリアルとラッパーを書いてみた。君のためにプラグインを書くつもりはないけれど、少なくとも何らかの導きを与えたいと思っている。僕は新しいことに挑戦するのが好きだから、他の人たちと協力してクールなMODを作るのに興味を持つかもしれない。
MrNeverLost: モチベーション不足に悩む野心的なモッダー全員に言っておこう。すべてを学習体験として捉えるんだ。誰だってがっかりすることがあるけれど、時間の無駄というものはないんだ。僕もときどき時間の無駄かもと思うことがあるけれど、新しいことを学んだり他のみんなが楽しめるものを作るのはいつでも気分がいいものだ。小さな成果を楽しみ、あまり根を詰めすぎないように。これが僕の考えるやり方だ。
Dunc001: iEquipとGamepad++のことで助けてくれた、サポートしてくれた素晴らしい人たちの感謝したい。僕は無限とも言えるほどの質問やお願いをしてきたが、僕がコンタクトした人は誰もフレンドリーで、喜んで僕を助けてくれた。実際、iEquipはコミュニティによるMODだ。直接的であれ間接的であれ、多くの人からの意見が取り込まれているし、みんなの助けがなければ実現あるいは洗練させることはできなかっただろう。協力すれば素晴らしいことが成し遂げられるんだ。もしモッディングへの旅に乗り出したばかりで、できるかどうか疑問なら、できるさ。ここにいるみんなが助けてくれる。
最後に
質問に答えてくれたdunc001、Fudgyduff、MrNeverLostの3名に大いなる感謝を。
いつものように、紹介してほしいMOD制作者やプロジェクトがあれば、PickysaurusまたはBigBizkitまで提案してほしい。
以上