Nexus Modsニュース和訳:注目のプロジェクト: Fallout - The Frontier (2018/11/30)
2018/11/30のNexus Modsニュース Project Spotlight: Fallout - The Frontier(注目のプロジェクト: Fallout - The Frontier)の和訳です。聞き手はBigBizkit。
注目のプロジェクト: Fallout - The Frontier
元記事:Project Spotlight: Fallout - The Frontier
投稿者:BigBizkit (コミュニティマネージャー)
投稿日:2018/11/30 (UTC)
目次
- はじめに
- BigBizkit: 今日はご参集いただきありがとうございます。フロンティアの設定と物語を説明していただけますか?
- ゲーム本体とは異なり、フロンティアでは砂漠の荒れ地から北の降雪地帯まで様々な場所が舞台となります。北部を寒冷な気候に変えた理由は何ですか?
- ゲーム本体や公式DLCと比べてフロンティアの規模はどうですか?
- 既存のキャラクターでフロンティアを冒険できるようにしたそうですね。完全に独立したキャンペーンではなく、New Vegasに織り交ぜた理由は? Falloutシリーズ、それにNew Vegasの時代設定との整合性はどうですか?
- 現時点でのストーリーについて教えていただけますか?
- トレーラー"Not Your Kind of People (異質な人々)"を見ると、追放されたNCRとカエサル軍団という2つのNew Vegas派閥がフロンティアで重要な役割を果たすのが分かります。New Vegasの他の派閥、あるいは新しい派閥について教えてもらえますか?
- ゲームプレイの新要素はありますか? 新しい設定に関する面白い仕組みはありますか?
- フロンティアのサウンドトラックについて教えてください。どういう雰囲気が狙いですか? 作曲者のインスピレーションはどこから?
- フロンティアを支えるチームの話をしましょう。プロジェクト関係者の人数は? どのように組織していますか?
- フロンティアの目指す「超大型」DLC制作のそもそものきっかけと、ビジョン実現のためにチームが集まった理由は?
- まだプロジェクトに参加できますか? 募集フォームはありますか?
- フロンティア、チーム、その他に関してNexus Modsコミュニティに言っておきたいことはありますか?
- 最後に
はじめに
ここ数ヶ月、僕らはFallout New CaliforniaやFallout MiamiといったFallout用の巨大MODに取り組むチームと話をしてきた。このようにモッディングコミュニティがFalloutにゲーム愛をつぎ込み続けているのを見るのはとても素晴らしいことだ。
今日はFallout: The FrontierチームからTgspy、Odinsword、Nazothedark、Macintrollの4名をお呼びして話を伺った。これはFallout New Vegas用の超巨大MODプロジェクトで、慣れ親しんだ暖かくて晴れた環境から、北アメリカ辺境の核の冬の冷たく厳しい現実の冒険へと連れ出してくれるものだ。
BigBizkit: 今日はご参集いただきありがとうございます。フロンティアの設定と物語を説明していただけますか?
Tgspy (統合/コンテンツマネージャー): 何年にもわたる何千時間もの工数の成果を一言で語るのは難しいが、楽しく説明してみようか。Frontierとは、New Vegasとそのエンジンにどれだけ詰め込めるかの探求と言える。そこには人を魅了する暗い物語、楽しいキャラクター、美しい風景など、たくさんのものが詰め込まれている。
Odinsword (サイドコンテンツ統括/ライター): 「凍てついたシッターランド」の二言だ(笑)。NPCの台詞を引用してみよう。
「凍てついた大地の下には悪がとぐろを巻いている。そいつは腹黒い連中や復讐と悪徳の虜となった連中をビーコンみたいに招き寄せるんだ。俺にはそれが人間というベールの先の暗闇で脈打ち、身をよじるのが分かる。フロンティアには長く留まるな。さもないとあんたも誘惑されてしまうぞ」
Nazothedark (軍団メインクエスト統括/サイドクエストコンテンツ制作): フロンティアとは失敗と、善意がどれほど簡単に堕落するかについての物語だ。
Macintroll (レベルデザイン/アート統括): フロンティアの最初のアイデアには4つの主要ポイントがあった。
- 我らが愛すべき「運び屋」のために新たな物語を作ること
- 気分を変えて、寒冷で雪の降る過酷な環境、一種の終わりなき核の冬を舞台とすること
- 川で分断された、破壊された大都市を舞台とすること
- 既知の二大勢力間の紛争が進行中であること(新カリフォルニア共和国とカエサル軍団)
というわけで、僕らはプレイヤーにとって全く異質な環境を作ることにした。元々Falloutシリーズでは砂漠や緑豊かな東海岸(FO3)が舞台の大半だった。これに変化を加えてFalloutシリーズや他のMODと差別化するため、以前の核爆発によって雪が降り寒冷となった環境と、新たなサバイバル体験を組み合わせることが最初の目標だった。
これまでFalloutシリーズで使われなかった地域からこのアイデアにフィットする場所を探す必要があり、北西海岸を選んだ。そこはモハーヴェから近い、北米の昔の「未開の地」に近い場所だ。このアイデアが採用されてプロジェクト名になった。しばらくしてポートランド(など)も多様な目的に適した場所に見え始めた。
伝承や旧Fallout Bibleを考慮すると、ポートランドは伝承にぴったりの場所だ。というのも、現実のポートランドは米軍の中継拠点だし(FO3のオペレーション・アンカレッジで顕著)、昔の戦争技術で満たされた場所だ。さらに、巨大なことで有名なVault 6もある。
ゲーム本体とは異なり、フロンティアでは砂漠の荒れ地から北の降雪地帯まで様々な場所が舞台となります。北部を寒冷な気候に変えた理由は何ですか?
Tgspy: 簡単に言うとクールだからさ(シャレのつもり)。真面目に言うと、ゲームの舞台である砂漠や緑草地に対する独自の変更だ。この物語を語る上で最良だと感じたから、MOD開発のかなり初期の段階で積雪地帯を選択したんだ。
ゲーム本体や公式DLCと比べてフロンティアの規模はどうですか?
Tgspy: 規模についてだけど、フロンティアは巨大DLCだと説明するのがぴったりだ。実際、全ワールド/全ツリーの全レコードを考慮すると、実レコード数は公式DLCを全部合わせたよりも多い! 最初は小さく凝集された小プロジェクトだったが、今では巨大MODだ。チームメンバーの卓越した才能のおかげで、ここ数年でフロンティアは大きく成長し、その驚異的なサイズに驚いている。
Odinsword: 今あるDLCと言うよりは拡張パックに近い。コンテンツに関しては新しいゲームとほぼ同等のサイズだ。
Nazothedark: 去年に出たBrood WarやOpposing Forceの拡張と同等じゃないかな。つまり、ゲーム本体より小さくDLCより大きい。
Macintroll: 正直に言うと、当初のプロジェクトの目標は現在目指しているものと比べてかなり控えめだった。だが、FNV最高のモッダーから多くの注目を集めたように、他に類を見ない天才的なスクリプターがいるから、これまでのFalloutシリーズとエンジンにはなかった全く新しい仕組みも提供できる。
メインとなるワールドスペースは64x64のセルを持つ正方形で、プレイヤーはどのセルにも行くことができる。到達不可能な場所のない本物のオープンワールドだ。だからFNVのマップより小さく見えても、より多くの空間を使ってより多くのコンテンツを置くことができる。
さらに、メイン/サブクエストの状況によって探検可能な4つの別ワールドスペースがある。総合すると広大なエリアを冒険できると考えている。それに屋内スペースもたくさん用意されている。エンジンの許す限り広い場所もあれば、セルを4~5個組み合わせた広大な場所もある。Vault 6は収容人数1000人だから非常に広大だが、さらに洞窟、氷の洞窟、ダンジョン、ハンガー、古い放棄されたオフィス(放棄されていないのも)、工場、それに完全な地下鉄や下水システムに入ることもできる。全部完成すれば、ほとんど日の光を浴びずに町を横断できるだろう。
既存のキャラクターでフロンティアを冒険できるようにしたそうですね。完全に独立したキャンペーンではなく、New Vegasに織り交ぜた理由は? Falloutシリーズ、それにNew Vegasの時代設定との整合性はどうですか?
Tgspy: フロンティアをNew Vegasの設定に織り交ぜることにした理由は、多くの点で僕たちの伝承と物語を支える確固とした基礎を持つことができるからだ。運び屋の話をNew Vegasと同時代にしているので、基本的に話をいちから作る必要はなく、より簡単に物語を追加できる。フロンティアを独立した別のキャンペーンにフィットさせるには、もっと多くの文章が必要になる。
フロンティアがFalloutシリーズにフィットするかどうかは、個々のプレイヤーが判断すべきことだ。フロンティアは公式DLCのように運び屋の物語に大きな影響を与えない。というのも、完全なロールプレイを台無しにする可能性があると考えるからだ。
Odinsword: ヘリオス・ワンの戦いの10年後の、FNVと同時期だ。
Nazothedark: フロンティアの時代設定はフーバー・ダムの2度目の戦いの前だ。
現時点でのストーリーについて教えていただけますか?
Tgspy: あまり話せないよ! ストーリーを教える際、何年も前から「見せろ、だが語るな」の姿勢を取ってきた。「ネタバレ」や事前にストーリーを教えて回る人たちのせいで、クリアな状態からMODを始めたい人たちの体験を台無しにすると考えているからだ。情報を伏せることで、フロンティアが一体何を企んでいるのか、みんなにいろんな想像をしてもらいたいと思っている。フロンティアとは何かを知るには、これまでのトレーラーを見たりWebサイトを読むのが一番だ。
Odinsword: 物語の主題はヘリオス・ワンの戦いの生き残りの残響だ。つまり、たった1つの出来事が、どれだけ多くの人々の運命を左右するかだ。
Nazothedark: メインクエストは複数あって、どれも亡命者と北方軍団の紛争を扱っている。
トレーラー"Not Your Kind of People (異質な人々)"を見ると、追放されたNCRとカエサル軍団という2つのNew Vegas派閥がフロンティアで重要な役割を果たすのが分かります。New Vegasの他の派閥、あるいは新しい派閥について教えてもらえますか?
Tgspy: ああ! 既にトレーラーで発表したように、B.O.S (The Brotherhood of Steel)がほんの少しだけ登場する。プレイヤーが交流する派閥には、NCRと軍団以外にもフロンティアの住人で構成されたフロンティアの主要派閥Scavs or Scavengers(スカブ または スカベンジャー)という新しい派閥がある。他にも大小さまざまな派閥がある。
Odinsword: 昔のお気に入りがいくつかカムバックを果たす。新しい派閥やグループも登場するよ。
Nazothedark: 戻ってくる派閥もあるし、新派閥がだくさん追加される。
ゲームプレイの新要素はありますか? 新しい設定に関する面白い仕組みはありますか?
Tgspy: これまで公表した中で一番大きなゲームプレイ要素は運転可能な乗り物だ。これは信じがたいスクリプティングとクリーチャーアニメーションの成果で、セールスポイントの一つだ。フロンティアで提供予定のユニークな機能がある。それはFrostfallのNew Vegas版で、フロンティアの厳寒環境と連携する。プレイヤーにとって凍死が厄介なので、細心の注意を払って暖かさを保つ必要があるだろう。
Nazothedark: 一番の売りは乗り物だね。NCRプレイヤーは戦車が、軍団のプレイヤーはビッグ・ホーナーが手に入る。
Macintroll: 車両には車と戦車があって、ベルチバードに乗ったりカスタマイズしたり修理したりできるようになった。これもアニメーターとクリーチャーの女神Jamillaとスクリプターを指揮するDevilswishのおかげだ。だが数に限りがあるのでしっかり面倒を見ること。壊れると永遠に失われてしまうからね。敵も車両に乗るので、非常に危険でタフな敵と戦う覚悟が必要だ。
低体温症 - 降雪地帯にぴったりのゲーム要素、つまり寒さを追加した。冷気ダメージと低体温症による死を望まないなら、適切な装備で冷水を避け、暖かい場所(炉)を探すことだ。
無重力下の戦闘と探検 - ゲーム内で宇宙に行くことを知っているはずだから、素晴らしい宇宙体験に浸れるだろう。
新クリーチャーとその新メカニズム - 新たに追加されたクリーチャーはどれも特別なスキルと戦闘スタイルを持っている。勝利するにはゲームに順応する必要がある。
フロンティアのサウンドトラックについて教えてください。どういう雰囲気が狙いですか? 作曲者のインスピレーションはどこから?
Tgspy: サウンドトラックはとてもシンプルなムードだ。孤独と孤立。どのトラックも世界での孤独を感じさせると同時に、警戒を解かせない楽曲となっている。実際のサウンドトラックはFallout 3の音楽オーバーホール作品を公開しているAveramの作品、多くの新曲を提供してくれたプロの作曲家Michael La Mannaの作品、それと多数の趣味の作曲家によって作られた作品を組み合わせたものだ。
Odinsword: 主要なテーマは忘れ去られた兵士の憂鬱と、感謝されることのない英雄の苦しみと言えるだろう。Streets of LaredoやWayfaring Strangerといった西部のバラードに影響を受けて僕がリクエストしたものもある。
フロンティアを支えるチームの話をしましょう。プロジェクト関係者の人数は? どのように組織していますか?
Tgspy: 現在、約30のチームがある。生活や仕事や学校への義務のため、誰もが活発なわけではない。だが、これまで積極的に貢献してくれた人たちの総計は大きなものだ。僕たちのチームの組織化は、他の大規模プロジェクト、特にSkyrimのプロジェクトとは異なる。チームの規模が比較的小さいため、より自由に作業できて「報告」も少なくて済み、複数の作業に携わる人たちもいる。僕たちはこれでうまくいっている。
フロンティアの目指す「超大型」DLC制作のそもそものきっかけと、ビジョン実現のためにチームが集まった理由は?
Tgspy: フロンティアを始めた当初は、プロジェクトがこれほどの規模になるとは思っていなかった。
MODの最初のアイデアは、Rockwellシリーズの一部に影響を受けた別の簡単なクエストを作ることだった。時間が経つにつれてプロジェクトへの関心が高まり、参加者が増えてきたので、あわててMODの想定をDLC規模に拡大したんだ。チームの成長に伴い、ここ数年にわたってこの変更が行われ、自信をもってDLC規模/大規模MODと呼べるところに達したんだ。
まだプロジェクトに参加できますか? 募集フォームはありますか?
Tgspy: ああ、プロジェクトのDiscordサーバーに募集チャンネルがある。現在ライターの募集はしておらず、3Dモデラ―を募集している。
フロンティア、チーム、その他に関してNexus Modsコミュニティに言っておきたいことはありますか?
Tgspy: 我慢が重要だ。プロジェクト完了のために僕たちは懸命に努力しているが、本当に完成したと感じられるまで終わらせるつもりはない。このプロジェクトを世界に共有したい。みんなが大いに楽しんでくれると信じている。
Odinsword: かつてニール・ゲイマンは「物語を読むことは別の目で夢をみること」と言ったが、MODも同じだ。僕たちの提示するものがインスピレーションを与え、みんながFallout世界の夢を見たり何かを書いたりすることを願う。今この記事を読んでいる人であれば、何か素晴らしいものを作れるに違いない。
最後に
質問に答えてくれたFallout - The Frontierチームにに大いなる感謝を。
紹介してほしいMOD制作者やプロジェクトがあれば、BigBizkitまたはPickysaurusまで提案してほしい。
以上