2019/10/18のNexus Modsニュース The Tale of Lucien - JosephRussell（ルシアンの物語 - JosephRussellのインタビュー）の和訳です。聞き手はPickysaurus。
ルシアンの物語 - JosephRussellのインタビュー
元記事：The Tale of Lucien - JosephRussell
投稿者：Pickysaurus (コミュニティマネージャー）
投稿日：2019/10/18(UTC)
目次
- はじめに
- 本日はお越しいただきありがとうございます。
- あなたを知らない人のために、軽く自己紹介をお願いします。
- これまでで一番お気に入りのゲームを選ぶとしたら何ですか？ その理由は？
- このコミュニティにはまだルシアンに会っていない人がいるかもしれません。彼について教えてください。
- ルシアンはスカイリムのキャラクターやこれまでプレイした別のゲームにヒントを得ていますか？
- ルシアンの前にベゼスダのクリエイションクラブコンテンツのタイプミス修正＆パッチを出されています。そこからフル装備のフォロワーMODに飛躍したきっかけは？
- MODの開発に費やした時間は？
- ルシアンの声優をされていますが、完璧な録音(演技)のヒントはありますか？
- MODの作業をするときに使うハードウェアとソフトウェアは？
- ルシアンにはフォロワーを含む多くの他MODとの対話があります。サポートしているMODと選択理由を教えてください。
- 今後サポートしたいMODはありますか？
- お気に入りのMODやMOD制作者は？
- Nexus Modsコミュニティに言っておきたいことはありますか？
- 最後に
はじめに
今回のMOD制作者インタビューでは、2018年にリリースされたスカイリムで最も人気のある男性フォロワーMOD、Lucienの作者であるJosephRussell (旧名Treacleman) にお話を伺った。スペシャルボーナスとして、今回はインタビューの動画バージョンも用意した。ぜひ楽しんでくれ！
本日はお越しいただきありがとうございます。
声をかけてくれてありがとう。本当にうれしいよ。
あなたを知らない人のために、軽く自己紹介をお願いします。
名前はジョセフ・ラッセル(Joseph Russell)、フルタイムの工学科の学生で、パートタイムでライターをしている。たぶんスカイリム用のフォロワーMOD、Lucien, the custom-voiced followerの作者・声優として一番知られているだろう。英国に拠点を置き、たくさんお茶を飲み、グレイ(Grey)という猫を飼っている。
これまでで一番お気に入りのゲームを選ぶとしたら何ですか？ その理由は？
それなら間違いなくクロック!パウパウアイランドだ。1997年にリリースされたプラットフォーマー (スーパーマリオ的なゲーム) で、馬鹿げた操作方法のせいで非常に多くのプレイヤーに嫌われているけれど、僕は物凄く好きだ。これは僕が最初にプレイしたゲームで、冒険的で斬新なシーンがあり、秘密がいっぱいつまっていて、これまでに書かれた最高のビデオゲームマニュアルがついている。本当に素晴らしい。
プレイ時間の面では、他のどんなゲームよりもはるかに多くの時間をスカイリムに費やした。バニラだけでも何百時間ものコンテンツがあり、MODを追加すればほとんど無限になる。没頭するのに最適のゲームで、今ではプレイするだけでなくコンテンツを制作しているし、最近では生活の大部分を占めている。それでもクロックは僕のハートをつかんで離さない。
このコミュニティにはまだルシアンに会っていない人がいるかもしれません。彼について教えてください。
ルシアンについて話せることはたくさんあるが、もっといい仕事ができる人を知っているので、彼にお任せしよう。
やあ！ 私の名前はルシアン・フラヴィウス。インタビューを受けられるとは何たる喜び。いつも言っていることだが、私は科学者、哲学者、素人ウィザード、さらに音楽家の片割れでもあるが、まあそれは趣味みたいなものだが。
私は学術的遠征のためにここスカイリムに来ている。私よりもタフな誰かの案内と護衛が必要だ。報酬は気前よく払うし、もし私を鍛えるつもりがあれば、戦いで君を助けることに最善を尽くす所存だ。
それに歌を歌ったり、本を読んだり、スカイリムの何百もの状況に応じてコメントをする。もちろん他MODのコンテンツに関しても。あっ、MODと言ったか？ おおっと、第4の壁が出てしまった！ それはともかく、私と会ってみたいなら、Nexus、Steam、またはBethesda.netに行ってダウンロードしてくれたまえ！ 試しても別に損はないだろう？ ではジョセフにお返しする！
ルシアンはスカイリムのキャラクターやこれまでプレイした別のゲームにヒントを得ていますか？
ルシアンには僕自身がたくさん入っている。スカイリムの状況に対する彼の反応は僕そのものだ。彼は少し臆病で、とても学術的で、対決するよりも逃げる方を選び、歌が好きで、まずいジョークが好きだ… 僕はルシアンのこうした側面を増幅しがちだ。なぜなら、そういう人物がタフで強い野蛮人や暗殺者の世界にどう反応するのかを見るのが楽しいからだ。
彼の声は基本的に僕のものだが、少しだけ気取っている。こうするとMODのために何百もの台詞を発音する時に便利なんだ。Inigo (誰もがダウンロードすべき素晴らしいMOD) の声役のゲイリー・ヘスケス (Gary Hesketh) が完全に声を変えてキャラクター作りをして、7千行以上の会話を吹き込んだことを知っている。申し訳ないけど僕にはそんな才能がないから、ジョセフ・ラッセルの気取った弱虫バージョンとなっている。
ルシアンの前にベゼスダのクリエイションクラブコンテンツのタイプミス修正＆パッチを出されています。そこからフル装備のフォロワーMODに飛躍したきっかけは？
タイプミス修正はもともと自分で使うために作ったものだ。たくさん文章を書く者として、スペルや文法のミスが気になってしまって、ゲームに没入するどころじゃないからね。スカイリムの才能あるモッダーの多くは第一言語が英語でないかライティングの経験がないから、こうしたミスを取りこぼしてしまうのはよく分かる。でも実際に修正しながら、どうしてこんなに気になるんだろうと思ったものだ。
Unofficial Creation Club Updatesの登場はずっと後のことだったが、これも完全主義に由来している。クリエイションクラブのDLCをゲームにぴったりとフィットさせたくて、ファイルを自分の好みに合わせて微調整した。繰り返しになるが、これらは主に自分用のものだったが、他の誰かの役に立ったと聞いて嬉しいよ。
このパッチは結果として満足できるものになったが、そこには創造性がないから、作業自体は面白くない。だからいつかもっと楽しめるものに移行したいと思っていた。パッチに取り組んだおかげでCreation KitとxEditのスキルと知識が得られたので、ストーリーベースのMODの制作に取り掛かったときは、必要なことの多くは既に分かっていた。
軌道に乗らないクエストMODの制作をいくつか試し、MihailModsに協力して彼のMODにクエストをいくつか追加してみたが、本当にやりたいことを実現するのは非常に難しい技術的な作業になることが分かった。フォロワーMODはそれに対する回答のように思えた。うまくやるにはまだ多くの技術的作業が必要だが、大部分は何百もある台詞を書くことで、本当に楽しめるよ！
MODの開発に費やした時間は？
それを言うのは不可能だ。2017年9月にルシアンの作業を開始して、2018年9月にリリースしたが、それ以降もまだ続いている。間違いなく数千時間、たくさんだ。
ルシアンの声優をされていますが、完璧な録音(演技)のヒントはありますか？
僕は長年にわたってアマチュアのドラマみたいなことを少しやってきた。プロではないので、この役柄以外の演技の経験はあまりない。でもルシアンの吹き込みで見つけた重要なことは、行動するのを忘れるなということだ。当たり前のように聞こえるが、声のピッチとトーンに集中しながら、マイクではなく他の人と話しているように話すことがとても重要で、そうしなければ簡単に「読み上げの声」になってしまう。
人間同士が話をするとき、感情の多くは目、表情、身振りを通じて伝達される。声優の演技ではこうした視覚的要素（非言語的要素）はすべて除外される。残るのは声だけだから、すべての台詞において感情を150%高めることが非常に重要だ。話しているとき少し大げさかなと思っても、実際に聞いてみると、期せずしてちょうどいい声になっている。
また、演技をするときにときには役になりきるのを恐れないように。ルシアンの受け身の訓練のシーンで聞こえる音は、実際に僕のおなかをパンチした音だ。スタミナの訓練では腕立て伏せをして、戦闘シーンでは拳を振り回したり、身をかがめたり、身をかわしたり、ファイアボールを投げるふりをする。ちょっとバカみたいだけど、僕の場合はこれがうまくいく。
MODの作業をするときに使うハードウェアとソフトウェアは？
MODの録音で一番重要だと思うことが一つある。聞き手にとってハードウェアの品質の違いは非常に明白なので、ハイエンドな機材に投資するのは良い考えだ。僕はFocusrite Scarlett Studio Solo Packを使っている。これには高品質マイクとアンプがついている。これに加えてポップフィルターやスポンジカバーやショックマウントを使用して、"t"や"p"などの子音の破裂音を最小限に抑えている。
ソフトウェアについてだけど、録音と圧縮はマイク機材に付属のCubaseを使って全て行う。これは様々なボーカルエフェクトにも最適だ。ドゥームバザー(Dumzbthar, MOD中に登場する特殊NPC)の音声の制作はとても楽しかった。作業の大部分が完了したらAudacityで一括ノーマライズ(音量を正規化して一定に)を行い、少し微調整をする。
モッディングについてだけど、面白いことに創造的な作業はすべてCreation Kitで行う。でもモッディングの微調整とバグ修正の段階になるとxEditが登場する。CKが大槌だとすればxEditはメスで、他のMODに影響を与えることなく環境の範囲内で個々のレコード、条件、テキストを修正するのに便利だ。また、これはアップロードする前のMODのクリーニングにも使える。xEditにしかできない重要なステップだ。
ルシアンにはフォロワーを含む多くの他MODとの対話があります。サポートしているMODと選択理由を教えてください。
まずは当然のInigoから。ルシアンはこのMODから多くのインスピレーションを得ているので、何らかのかたちで対話させる必要があった。後は自分が大好きな、またはルシアンと特にうまくいきそうなMODを選んだ。たとえばWaribikiによるSong of the Greenのオーリ(Auri)には、ルシアンとは対照的な性格の対比によって素晴らしいダイナミクスがある。対話を書くのは喜びであり、いつかもっと拡張したいと思っている。
もう一つの例にMoonpath to Elsweyrがある。スカイリムの初期のクエストMODで、僕が初めてダウンロードしたMODのひとつだ。今となっては比較的小規模と言えるものだが、まったく新しい地域が探索できるので対話パッチの完璧な候補となり、ロアや砂に関するジョークの機会が非常に増えた。
何かに影響を与える際には技術的な制限がいくつかある。フォロワーや場所については簡単にインタラクトできるが、クエスト、新しい土地、武器MODのためにはパッチが必要だ。だから1～2行しか台詞を追加できないようなMODはふさわしくない。だから「価値/ダウンロード」比を最大化するために、対話が大量に増える可能性の高いMODを選ぶのを好む。
今後サポートしたいMODはありますか？
ああ、たくさんある！ Legacy of the Dragonbornのサポートは最初から計画済みだが、きっちりとカバーするには数ヶ月の開発が必要になるほど巨大なMODなので、先に優先度の高い他のMODに手を付けている。Beyond Skyrim – Brumaのサポートはまもなくだ。ルシアンに取り組む間は、さらに多くの対話を追加しつつ、既存のものを拡張していく予定だ。
お気に入りのMODやMOD制作者は？
おっと、巧妙な質問だ。たくさんあるよ。既に言ったInigo、Song of the Green、Legacy of the Dragonborn、Moonpath to Elsweyrが大好きだ。ArthmoorのMODは必携だし、EnaiSiaionのMODは全部お気に入りだ。ゲームにイマージョンを加えるものが大好きだから、素晴らしいFrostfallとiNeedなしにはプレイできない。僕のロードオーダー全部を列挙すると何時間もかかってしまうだろう。そうだ、NuukemのSSE CreationKit Fixesに大声で感謝を伝えたい。これは僕の生活を何億倍にも楽にしてくれる。
Nexus Modsコミュニティに言っておきたいことはありますか？
とにかく素晴らしい人たちだ。過去1年間、ルシアンに寄せられたコミュニティの愛とサポートには恐縮するばかりだ。次のアップデートを届けるのが待ち遠しい、まだまだたくさんある。僕がすぐに消えてしまわないことは確かだ。
ルシアンはSkyrim、Skyrim Special Edition、Skyrim for the Switchで、君の冒険に加わるのを待っている。
最後に
質問に答えてくれたJosephRussellに大いなる感謝を。
いつものように、紹介してほしいMOD制作者やプロジェクトがあれば、BigBizkitまたはPickysaurusまで提案してほしい。
以上
