Thinking Skeever

Skyrim/The Witcher 3 Modについてのあれこれ。FoModの作り方、Mod導入時のトラブル事例などのニッチな話を書いていきます。a.k.a. BowmoreLover@nexusmods

Nexus Modsニュース和訳:MOD制作者への寄付システムについて(2017/12/19)

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2017/12/19のNexus Modsニュース Mod Author Donation System(MOD制作者への寄付システムについて)の和訳です。

要約:2018年の第1四半期に、MOD制作者に毎月ユニークダウンロード数ベースのポイントを分配し、ポイントに応じた品物が得られるシステム「寄付ポイントシステム」が導入されるそうです。ファイル毎にこのシステムへの参加有無が設定できるうえ、ファイルの再利用条件としてポイントシステムの利用可否も設定できるようですので、もしかしたら他人のリソース利用が少し複雑になるかもしれませんね(一目でわかるようにパーミッション管理システムをアップデートするそうですが)。

MOD制作者への寄付システムについて

元記事:Mod Author Donation System
投稿者:Dark0ne (サイトオーナー)
投稿日:2017/12/19

開発者たちは新サイトのデザイン、バグ修正、ページの読み込み速度の改善、ユーザーからの役立つ批評やUI/UX改善提案への対応をしている間、僕は少し時間を割いて、現在他の開発者が取り組んでいる2018年の第1四半期に立ち上げ予定の機能について説明しようと思う。

今日話す新機能は、僕が長年やりたかったものだ。実際、僕はこの8月にMOD制作者フォーラムにこのアイデアを投稿してユーザーの反応を評価し、システムの恩恵を受けるユーザーからの意見を受け取った。それを読めば、これが賛否両論の問題だと分かるだろう。多くの疑問に答えるつもりなので、お願いだからコメントを書く前に最後まで読んでほしい!

手短に言うと…

僕たちはNexus Modsの寄付ポイントシステム(Donation Point System)に取り組んでいる。MOD制作者が一意のファイルページからのダウンロードによって貯めることができ、店頭スタイルのシステムから報酬を受け取れるものだ。

ずばり要点を明確にしておくけれど、このシステムによってMOD制作者が本業を止められるようなことは絶対にない。とはいえ、これまで何年にもわたって多くのMOD制作者が言ってきた、モッディングという趣味からちょっとした目に見える何かを受け取りたいという当初の願いを満たすはずだ。たとえそれがMODに取り組み間に注ぎ足す無料のコーヒー/ビール数杯とお礼であってもだ。

個人レベルでは、みんなが使っているMODの制作者に、Nexus Modsから時々個人的な寄付をする方法を見つけたいと思っていた。大分時間が経ったけれど、これは可能な限り公平で最善の方法みたいだ。

結局のところ、これはNexus Modsとそのユーザーが全てのMOD制作者にまとめて寄付をして感謝する方法になるだろう。

システムの仕組みは?

贈り物として、Nexus Modsから毎月可変の金額($5,000~$10,000の見込み)を中央寄付プールに寄付する。これが寄付金の基本値となり、毎月寄付ポイントを計算するうえでの最低総合プール額となる。

Steamワークショップで初の有料モッディングが発表されたとき、多くのユーザーはMOD制作者への強力な寄付システムを見てみたいと嘆いていた。これを実現するため、Nexus Modsのユーザーが毎月のプールに寄与できるようにして、Nexus Modsのユーザーが望むのであればだれでも毎月の総合プールに寄付できるようにする。本質的にはMOD制作者への寄付のクラウドファンドだ。その月の寄付プール額、Nexus Modsがどのように分配するのか、コミュニティ全体からの寄付額などを見られるページを提供する。そして恐らくこれに少しだけゲーム感覚を持たせて、寄付したユーザーを寄付額などを一覧表示するスコアボードスタイルのシステムに参加してもらうつもりだ。

寄付ポイント(DP)には金銭価値が設定されていて、これを書いている時点では1,000DPに$1(USD)の価値を持たせる計画だ。これはこの先一定で、変動したり変更されることはない。

月末には、総合プール金額が相当するDPに換算される。例えば、総合プール金額$10,000は10,000,000DPに相当する。スクリプトによって、この仕組みに参加するMOD制作者の各ファイルページのユニークダウンロード数を合計して、利用可能な総合DPを月のユニークダウンロード数の合計で割る。例えば、総合寄付プール金額が$10,000(10,000,000DP)で、ユニークダウンロード数の合計が5,000,000だった場合、ユニークダウンロード1回あたりの価値は2DPとなる。よって、月のユニークダウンロード数が25,000のMOD制作者は50,000DPを受け取る。これは僕たちの店頭システムで払い戻される$50に相当する。

このシステムはユーザー承諾型なので、ユニークダウンロード毎に受け取るDPの値を事前に計算することはできない。サイト上のMOD制作者全員が全てのファイルに対して承諾したという理論上の状況に基づいて最小値を計算することはできるけれど、これは正しい近似値とはならない。この数字(DP/ダウンロード)は、利用可能な寄付プールと、どのファイルが本システムの利用を承諾したかによって月ごとに変動する。

測定基準にはユーザーのMODページ全体のユニークダウンロード数を使う。これはMODページでダウンロードできるファイルそれぞれのユニークダウンロードではない点に注意してほしい。例えば、あるMODページでダウンロードできるファイルが14あって、ユーザーが14ファイル全てをダウンロードしても、ユニークダウンロード数は14ではなく1とカウントされる。これは一部の人々、とりわけ既にコミュニティ内で多数のユニークダウンロード実績のある大型MODに関しては議論の余地があると考えているけれど、残念ながら僕たちの統計追跡には制限がある。だからこの仕組みの開始時にダウンロード数はリセットされ、その時点からユニークダウンロード数となる。

払い戻しストア - 現金だけではない

ユーザーはサイト上の店頭に似たコーナーで寄付ポイントを利用できる。DPをPayPal寄付やアマゾンギフト券などと交換するオプションも提供するけれど、そもそもみんなをここに連れてきた趣味―モッディング!―に直接関係する品やオプションを提供したいというのが僕の希望だ。Steam/Humble Bundle/GOGのように人気のゲームを提供したり、モッディングで利用する/利用したいけど叶わない著名ソフトのサブスクリプションやソフトウェライセンスを提供したり、ビデオカード/マザーボード/メモリ等のPCハードウェアまでも提供する計画だ。一部のMOD制作者がとても古い低予算システムでモッディングしているのを知っているからね。彼らのシステム改善の手助けができれば、コミュニティ全体に目に見える恩恵があるかもしれない。

将来的には払い戻しストアに月極のスポンサーがつく可能性だってある。例えばだけど、業界のビッグネームに声をかけて、CorsairからPC周辺機器を、Nvidiaからビデオカードといった具合に商品を提供してもらうこともできる。これらはMOD制作者向けの払い戻しストアで割引提供されるだろう。

それに、MOD制作者に対して厳選された慈善団体にDPを寄付する仕組みも提供する。わずかだが意味のある金額に達し次第、選択した慈善団体に寄付金が送られる。

なぜ制作者の人気コンテストする必要があるのか? なぜユニークダウンロード数に応じてポイントを割り当てるのか?

君もこの問題の複雑さ、コミュニティで様々なドラマが繰り広げられる可能性について理解してくれるはずだ。僕たちがどんなシステムを思いつこうとも、合理的で一番重要なのは、可能な限り人間の主観的な意見を欠くことだ。基本的には、僕であれ誰であれ、ポイントの配分を担当する人物やグループがあってはならないということだ。

恐らくユニークダウンロード数はこのサイト上で最も客観的な指標で、ENDORSE数よりもずっとファイルの人気をダイレクトに示すものだ。そして一番重要なのは、ユニークダウンロード数の偽装は確実に防げるので、この壮大な仕組みの中でのゲームが難しいことだ。サイト全体のユニークダウンロード数に目立った影響を耐えるには、約20,000の新アカウントを作成して、各アカウントで同じファイルをダウンロードする必要がある。僕はありそうもないと思う。一方、もしENDORSEシステムや月間ランキングシステムのようなものを使う場合、大量の新アカウント作成の必要は残るものの、ゲーム(操作)するのはさほど難しくない。

人気が品質と等価な評価基準ではないし、人気よりも品質がより多く(または同等に)報われるべきなのがあるべき姿なのは認めるものの、正直に言って、ユニークダウンロード数がシステムの客観性を可能な限り保てる唯一の方法だと思っている。もしみんなが月間ランキングやENDORSE率なんかを提案し始めたなら、システムを弱体化させてより多くの利益とポイントを得ようとする連中に関する深刻な問題にぶち当たることになる。ユニークダウンロード数であれば、同じように弱体化されることはない。

僕そして僕たちにとって、これは可能な限り傍観的である必要がある。このシステムに関するMOD制作者間の紛争に細かく口出ししたくはない。例えば「あの制作者は説明文/コメント/Youtube動画でMODへの賛同を求め、本来なら許されないポイントを大量に取得した。あのポイントを削除するかバンしてくれ!」といった類のものにはね。このシステムに関して多少はMOD制作者間の紛争があると想定しているけれど、彼らは僕らの評価基準をベースにしないはずだよ。

人気に提供されないシステムの方がいいのは完璧に理解しているけれど、多くのドラマを引き寄せるだけのシステムなんてありえないし、そんな些細な理由でコミュニティを離れる人もいない。

オプトイン/オプトアウトのどちらか? システムへの参加に制限があるのか?

システムはオプトイン型(利用には本人の許可が必要)になる。このシステムに参加したくない場合は何もする必要はなく、参加する際に同意が必要となる。

法的にどうするのが適切なのか弁護士と話し合う中で、年齢や場所の制約があるかもしれないので、参加資格についての規約が設けられるかもしれない。例えば、18歳未満の人は保護者の同意が必要かもしれないし、現在イギリス/国連から禁輸措置を受けている国に品物を寄付することはできない。

月をまたいで寄付ポイントを貯められるのか? ギフト券/Pay Palの最低支払額は?

そう、ポイントは毎月消滅することはないし、使ったり他の人に寄付するまで毎月積み立てられる。PayPalとアマゾンギフト券の最低寄付額は$10となる。

サイト上の他のユーザーにポイントを渡すことはできる?

そう、僕たちはMOD制作者が他の制作者やユーザーにポイントを譲渡するためのポイント転送システムを実装する。恐らく、ファイルのポイントが選択したユーザーに積み立てできるようにして、積極的かつ自動的にDPを寄付することも可能になる。たとえば、DPの受け取りに興味がないが、他のユーザー(例えばお気に入りのMOD制作者)にDPを寄付したい場合、それが可能だ。

詐欺や自分のものでないMODをアップロードしてポイントを取得するのをどうやって防止するつもり?

寄付ポイントはNET90システムに割り当てられる。つまり、その月が終わってから3か月経過するまではポイントを受け取ることはできない。例えば、1月分のポイントは、その月が終わってから3ヶ月(90日)経過して5月が始まるまでは受け取れない。

これは、「悪意のある」制作者にポイントが割り当てられて使用される前に、ファイルの潜在的な問題を見つけて是正できるよう、僕たち(そして君)に猶予期間を与えるためだ。この期間中に僕たちの利用規約に反するファイルが見つかった場合は対処されて、その「MOD制作者」に起因する可能性のある寄付ポイントは無効になる。

好例としては、誰かが無許可で別のMOD制作者からアセットを盗み、Nexus ModsにMODをアップロードしてシステムにオプトインしたとしよう。NET90システムがなければ、僕たちがすぐにこれを探知しないと、このMOD制作者が不当にポイントを受け取る可能性がある。NET90システムは正当な「Nexus的に正しい」ファイルだけがポイントを受け取れるよう、現実的にできる限り多くのファイルを根絶してシステムの悪用を防ぐための猶予を提供する。

Nexus Modsからの寄付額によって月々の総合寄付プールが変化する理由は?

財務状況や財務ニーズは毎月変化するから、毎月の公式な寄付額を約束できないからだ。僕たちは明らかな理由があるものに対して貢献できるよう、柔軟に対応する必要がある。とはいえ、$5,000~$10,000の範囲での約束を目指している。

このシステムについてベゼスダ社と議論した? ベゼスダが満足しなくて削除を要求した場合、削除するつもり?

長年に渡るベゼスダとの関係の中で、彼らに特定の問題についての回答を強いる場合、「はい」と答えてもらうよりも「いいえ」と答えてもらう方がはるかに簡単だということがはっきりした。だけど、彼らに尋ねずに進めてしまうと、彼らが「いいえ」や「はい」と言う必要はなく、とても深刻な問題があるかどうかを知らせてくる。

僕と弁護士が懸念する限り、これに本当に法的な問題はないはずだ。確かに彼らと話し合いたいが、彼らが削除すべきだと断言するなら、ホストしているゲームからベゼスタのゲームを全部削除するつもりだし、法的な戦いを始めるのは賢明でないことは君も認めてくれるはずだ。

ベゼスダに管轄権のない他のゲームについては削除するつもりはない。

サイト上のMOD制作者にとってはるかに利益の少ないシステムになるのは明らかだけど、ベゼスダのゲームだけでなく、何年も前から存在していた機能についてベゼスダに指図させるつもりはない。

特定のファイルをオプトアウトしたり、複数のMOD制作者間でポイントを分配したりできるか?

どちらもイエスだ。

あるファイルではポイントを受け取り、別のファイルでは受け取りたくないMOD制作者がいるのは分かっている(例えばコラボレーションMOD)。それに何人かのMOD制作者が一緒にコラボしていて、関与したMO制作者間でポイントを分割したいと思うことも分かっている。ファイルのアップローダーでポイントの割り当てが設定できるようにする。割り当てが変化した場合はいつでも全てのMOD制作者にコードか何かを通知することになりそうだ(悪戯なMOD制作者が月が終わる直前に他の人への割り当てを横取りしようとしないように)。

自分のアセットに許可を与えたりコラボするような場合、寄付ポイントの配分に関しての議論をドキュメントに残すべきだ。そうしておけば、つまらない喧嘩になってモデレータの介入が必要になった場合、コラボした人たちとの以前の合意事項を参照することができるからね。

ユニークダウンロードを稼ぐために、MODのパッチを別のスタンドアロンなMODとしてアップロードする人たちにどう対処するつもり?

これに関して厳密な規則を施行する。サイトやユーザーエクスペリエンスを犠牲にして、意図的に道を外れてシステムを試そうとする人々にすぐに対応できるよう、モデレーションのやり方をスピードアップするつもりだ。

事態を予想することはできるが、実際に行われるまで何を試そうとするか分からない。状況に応じて適切に対処する。

他のユーザーが自分のプロファイルページなどから、自分の貯めた寄付ポイントを見ることはできるか?

いや、所持する寄付ポイントは完全に非公開で、自分にしか見えない。

このシステムを使いたくないので、自分のアセットを使った他のMOD制作者がポイントを受け取るのに我慢できない。これを防ぐことはできるか?

できる。この変更に対応するため、独自のパーミッションシステムをアップデートするつもりだ。

それについて無作法になる必要はない。君に許可を求めるMOD制作者や過去に許可を求めたMOD制作者に対してそれを明確にできる。それにファイルのパーミッション/クレジットセクションで、この作品を使ったMODがポイントを受け取るのが不満であると明確にすることもできる。

君の作品を使ったMOD制作者が騒ぎを起こそうとした場合、モデレーターに依頼して事実を明らかにしてもらうこともできる。

君には自分のアセットをどう使うのか、他のMOD制作者がそれによって得られる利益を規定する権利がある。そして作品の使用許可を求めるMOD制作者には、使用に関する規定が気に入らない場合、その作品から離れて使わない権利がある。だが、たとえ相手の制作者が誠実で世界一いい奴だったとしても、後で問題が起きた時に備えて、忘れずに議論の結果をドキュメントに残しておくこと。

いつ始まる?

大きな問題がない限り、2018年の第1四半期にこの機能をリリースする。とりあえずは1月の終わりから2月の初めに何か出したいと思っているが、第1四半期と言って自分たちを少しごまかしてるからね!

システムをリリースして数ヶ月が経過して、関係するデータが十分に蓄積されたら、有用な結論を導き出して、必要に応じて対応するつもりだ。

いつものように、システム改善につながるかもしれない建設的なものも含めて、フィードバックは歓迎だ。だが、評価指標としてユニークダウンロード数を使う件について僕の書いた文章に注目してほしい。MOD制作者と議論するために8月にこの話題を取り上げたところ、反応は非常に好意的だった(MOD制作者の回答があった範囲では!)。最終的には、ユニークダウンロード数の使用に関して多くの疑問や提案が上がってきたが、僕が既に提示した基準に足るものはなかった。

以上


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