Nexus Modsニュース和訳:テクスチャに関するお喋りとヒント - Fuse00のインタビュー (2018/8/24)
2018/8/24のNexus Modsニュース Textures, Talk, and Tips - Fuse00(テクスチャに関するお喋りとヒント - Fuse00のインタビュー)の和訳です。聞き手はBigBizkit。
テクスチャに関するお喋りとヒント - Fuse00のインタビュー
元記事:Textures, Talk, and Tips - Fuse00
投稿者:BigBizkit (コミュニティマネージャー)
投稿日:2018/8/24 (UTC)
目次
- はじめに
- 今日はありがとうございます。始める前に少し自己紹介をお願いできますか
- あなたの作品に馴染みのない人のために、どういったことをしているか説明してくれますか?
- Nexus Modsに登録したのは約5年前ですが、登録したきっかけと、活発なコミュニティメンバーになった理由を覚えていますか?
- いくつかのゲームで様々なリテクスチャMODや見た目改善MODを制作されていますね。ゲームに寄ってテクスチャ制作のアプローチに大きな違いはありますか?
- Fallout 4のボディテクスチャにウィッチャー3のゲラルトの様々なカスタマイズ、Kingdom Come: Deliveranceのヘンリーまで様々な作品がありますが、特に自慢できるものあはりますか?
- モッディングコミュニティ全般に関して最も刺激を受けることは?
- ゲームをカスタマイズするのが好きと言いましたが、どういった種類のゲームが好みですか?
- モッディングとゲーム以外に趣味はありますか?
- 私自身もMOD制作の経験がありますが、テクスチャ制作は理解できていません。どうして始めたのですか? 独自のテクスチャを作りたい人へのヒントはありますか?テクスチャ制作の基礎という話であれば、まずはテクスチャというものについての基本を学ぶことね。というのも、初めてMODを制作したときにこの知識がなかったから、期待通りの結果とならない理由が理解できなかったからよ。
- 逆にプログラミング/スクリプティング、レベルデザインといった、これから習得したいスキルはありますか?
- コミュニティのみんなに言っておきたいことはありますか?
- 時間を割いていただいてありがとうございます。これからのご活躍を祈っております。
- さいごに
はじめに
Fuse00はいくつかのゲームを股にかけてMODを制作する熟練のリテクスチャ職人だ。彼女が制作したMODは、Fallout 4、Skyrim、Witcher 3、Kingdom Come: Deliveranceで累計数百万回もダウンロードされている。今日は彼女に作品のこと、ゲームのこと、そしてモッディング全般について聞いてみた。
今日はありがとうございます。始める前に少し自己紹介をお願いできますか
名前はマリア。ロシアのモスクワ生まれで、今もモスクワに住んでいる。
幼いころからビデオゲームが大好きだったけれど、ゲームに関する教育を受けたことはないし、ゲーム業界で働いたこともない。今は電気通信会社で海外通信事業者向けの保守業務部門で働いている。
あなたの作品に馴染みのない人のために、どういったことをしているか説明してくれますか?
私が主にやっているのは、ゲームの顔や体のテクスチャと3Dモデルに関するモッディングよ。
Nexus Modsに登録したのは約5年前ですが、登録したきっかけと、活発なコミュニティメンバーになった理由を覚えていますか?
モロウウィンドに首ったけだった頃にモッディングに興味を持ち始めたの(当時はまだ作者ではなくユーザーとしてね)。当時はインターネット上で適切かつ体系的で役に立つMODの情報源を探すのは難しかった。絶えずインターネットをサーフして、いろんなウェブサイト(時には質の怪しいもの)を探し出す必要があったの。もちろん、とても不便だったわ。
いつどうやってNexusのことを知ったのか思い出せないけれど、いまだにNexus以上に良いサイトは見たことがない。私にとってあらゆる側面で便利なの。ダウンロード可能な素晴らしいコンテンツがたくさんあることや、ユーザーフレンドリなインターフェースがね。そして一番重要なのは、MODの大半が作者自身によってアップロードされていて、質問に対する回答をすぐに得られて、アップデート版をダウンロードできること。さっき言ったことはダウンロードだけではなくアップロードする場合にも当てはまるわ。
いくつかのゲームで様々なリテクスチャMODや見た目改善MODを制作されていますね。ゲームに寄ってテクスチャ制作のアプローチに大きな違いはありますか?
そうね、ゲームに寄ってモッディングツールのインターフェースやオプションが違う場合があるわ。例えば、とても緻密で使い勝手のいいモッディングツールのあるゲームもあれば、Windowsコマンドプロンプト用のexeファイルとパラメータ一覧しか提供されないゲームもある。それどころかモッディングツールが存在しないゲームだってあるわね。
だからモッディングツール次第でゲームリソースの展開と圧縮は多かれ少なかれ複雑になりがちだけど、テクスチャを描いたりり編集したりする手順はどれも似たようなものよ。
私はPolypaint(3Dモデル、より正確にはポリゴンの頂点の上に描くこと)の手法を使うのが好き。モデルにアクセスできない場合はフォトショップでテクスチャマップを編集するのよ。
Fallout 4のボディテクスチャにウィッチャー3のゲラルトの様々なカスタマイズ、Kingdom Come: Deliveranceのヘンリーまで様々な作品がありますが、特に自慢できるものあはりますか?
あるわよ。何年も前に制作したSkyrim用の新種族追加MOD、Alexander Raceがそうよ。ほとんどのMODと互換性がなくてインストールが難しく、フレームレートに悪影響を与えることからあまり人気はなかったけれど、私の技術が大いに試された作品なの。新しいモデル、テクスチャ、物理、表情のモーフィング、キャラクター作成メニュー用のスライダと言った、私の知っている知識のほとんどは、すべて一から制作したこのMODで学んだのよ。
この作品の制作過程はとても面白かったわ。
モッディングコミュニティ全般に関して最も刺激を受けることは?
当然、ゲームを自分好みにカスタマイズできる機会が与えられること。ゲームがおおむね気に入ることもあれば、一部が気に入らないこともある。そういった場合に修正することができるし、時にはゲームを完全に作り直すことだってできる。モッディングによってゲームが素晴らしく改善されるんだから、MODをサポートするゲーム開発会社が増えることを願うわ。
刺激という話で言えば、たとえ私が使う予定がなくても、他の誰かのために制作してシェアしたいのよ。これはSkyrimとFallout用のMODの大半に当てはまるわ。どういう訳か私はこれらのゲームをプレイしたことがなくて、ただコンテンツを作りたかったの。
行ってみれば自分で使う予定のないファンアートを制作するみたいなものだけど、制作過程を楽しむのよ :)
ゲームをカスタマイズするのが好きと言いましたが、どういった種類のゲームが好みですか?
レーシング/RTS/ストラテジー/シミュレータを除くゲームは大体プレイするけど、一本道でないストーリーのあるゲームが好きなの。プレイするキャラクターの性格をカスタマイズするのが好きなのよ。
だからTelltaleやQuantic DreamといったメーカーのRPGやインタラクティブムービーが好きなの。どちらかといえばRPGの方が好きね。クリアするのに時間がかかるし、クエストや戦闘といった挑戦もあるから。だからお気に入りのジャンルはRPGってこと。
それにCatherine、Hollow Knight、The Last Guardian、Deadly Premonition、the first Darknessといった他のジャンルの新しいゲームも大いに評価している。いつもエルフ/エイリアン/犯罪者/兵士といった「古典的な」ものではない何かを試したいと思っているのよ :)
モッディングとゲーム以外に趣味はありますか?
実は何も… テレビシリーズが数に入らないならね。テレビシリーズはたくさん見るのよ :D 若い頃は絵や写真が好きだったけど、数年前にやめてしまったわ。
私自身もMOD制作の経験がありますが、テクスチャ制作は理解できていません。どうして始めたのですか? 独自のテクスチャを作りたい人へのヒントはありますか?テクスチャ制作の基礎という話であれば、まずはテクスチャというものについての基本を学ぶことね。というのも、初めてMODを制作したときにこの知識がなかったから、期待通りの結果とならない理由が理解できなかったからよ。
最近のゲームでは全てのサーフェイスに複数のテクスチャマップが使われているの。デフューズマップ(色)、ノーマルマップ(起伏)、スペキュラー/サブサーフェイス・スキャッタリング、キューブマップなどの違いを理解する必要がある。大したことはないわ。どのテクスチャに何の役割があるのか理解するだけでいいのよ。
始めて制作したMODはウィッチャー2のゲラルトの顔テクスチャだった。彼の年寄りじみた見た目が嫌いで、顔のシワを取り除いてもう少し若くしてあげたかったの。既にリリースされているMODに適当なものがなかったから自分で作ることにしたのよ。だからテクスチャを展開して、色のついた彼の顔写真らしきものを見つけた。それさえ修正すればいいと思い、エアブラシでシワを取ってゲームに戻してみたけれど、彼のシワが消えてなくてとても混乱したわ… 私が修正したのはデフューズ(色)テクスチャマップだけで、起伏を表すノーマルマップを無視したから、顔写真のシワを周囲の色と同化させてもシワの起伏が残り続けるってことが分かったの。だから理論を無視しないようにね!
後はデジタルグラフィクス全般の実践とスキルの問題ね。グラフィックエディタの操作にはグラフィカルタブレットの利用を強くお勧めするわ。マウスよりも快適だし、はるかに優れた結果が得られるから。
それと顔テクスチャを編集する場合には、Youtubeでメイクやフェイスペイントの動画をチェックするといいわね。というのも手順がとても良く似ていて、色で顔の造形を変えて見た目を変化させる方法を理解するのに役立つのよ。顔のどの部分を強調して、その部分を暗くするといったことがね。
テクスチャ制作のツールについてだけど、個人的にはフォトショップとZbrushが好みね。
まずは始めることね。既に分かっていることをやってみて、分からないことに突き当たったら… グーグルで検索するのよ。9割の確率で答えが見つかるし、それで進めて分からなくなったらまたグーグルに聞くのよ。これが私のいつものやり方。そのうちグーグルに知るべき事が残っていないことが分かり、作業全体を理解できるようになる。他には、似たようなMODを既にリリースしているMOD制作者に聞く手もあるわ。これも私がいつもやっていること。私はNexusのMOD制作者の半分ほどに迷惑がられているかも。中国のフォーラムで物理プラグインの作者のアドレスを見つけてメールしたことだってあるわ。だって操作方法を知るのは彼しかいなかったから :D
逆にプログラミング/スクリプティング、レベルデザインといった、これから習得したいスキルはありますか?
アセンブラーとLuaスクリプティングのスキルね。最近リバースエンジニアリングのためのツールを見つけたのよ。ゲームのあらゆる側面を無限に調整できる可能性があるけれど、高度なスクリプティング技術がなければ扱うのが難しい。それにCreation Kitの正しい作業方法を理解したいわ。いまだに手掛かりがないのよ :)
コミュニティのみんなに言っておきたいことはありますか?
みんな、制作に励むのよ! あなたの作品がゲームを大いに良くするんだからね!
時間を割いていただいてありがとうございます。これからのご活躍を祈っております。
ありがとう! あなたもね!