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Skyrim/The Witcher 3 Modについてのあれこれ。FoModの作り方、Mod導入時のトラブル事例などのニッチな話を書いていきます。a.k.a. BowmoreLover@nexusmods

Nexus Modsニュース和訳:Modathon Madnessの企画者 - Darkelfguyのインタビュー (2018/8/17)

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2018/8/17のNexus Modsニュース The Man behind the Modathon Madness - Darkelfguy(Modathon Madnessの企画者 - Darkelfguyのインタビュー)の和訳です。聞き手はBigBizkit。

Modathon Madnessの企画者 - Darkelfguyのインタビュー
元記事:The Man behind the Modathon Madness - Darkelfguy
投稿者:BigBizkit (コミュニティマネージャー)
投稿日:2018/8/17 (UTC)

目次


はじめに

本日はモッディングコミュニティに熱い情熱を注ぐユーチューバー兼モッダー、Darkelfguyのインタビューをお届けする。彼は自分のYoutubeチャンネルで毎週Morrowind Modding Showcasesを放映するだけでなく、毎年恒例のMorrowind Modathonといったモッディングイベントを主催するなど、モロウウィンドのモッディングコミュニティに尽力している人物だ。

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今日はインタビューに応じていただきありがとうございます。まだ知らない人のために、あなた自身とあなたの主催するMODコンテストの紹介をお願いします。

Darkelfguy: 今日は声を掛けてくれてありがとう。モロウウィンド・コミュニティ以外の人はほとんど知らないと思うけど、僕がDarkelfguyだ。Nexus ModsがMorrowind Sourceとして知られていた2003年からずっとモッディングコミュニティにいて、2014年からは唯一のモロウウィンドMOD紹介チャンネルMorrowind Modding Showcases (MMS)を主催している。他にもMorrowind Modding Communityのポッドキャストや音声ベースのモッダーインタビュー(今のところ31件あり継続中)、モロウウィンドのMOD制作やインストール方法のチュートリアル、それにTamriel RebuiltSkyrim - Home of the NordsProvince: CyrodiilMorrowind RebirthLyithdoneaといったモロウウィンドの主要プロジェクトのプロモーション動画もかなり取り扱っている。基本的に、僕はモロウウィンドのモッディングコミュニティの応援団長なんだ。

それと、毎年恒例のモロウウィンド・コミュニティの2つのコンテストを管理運営している。一つはモロウウィンドの発売日を記念して毎年5/1~6/1に開催される自由参加のコンテスト Morrowind May Modathon、もう一つはモッダー間の連携と協力に重点を置き、厳格なスキルに基づいて毎年10/1~10/31に行われるチームモッディングコンテスト Morrowind Modding Madness だ。

毎年Morrowind Modathonを開催することにしたきっかけは?

これまでずっとコンテストやコミュニティイベントを主催してきたから、ある意味必然だったのかもしれない。MSSを主催する前も、2007年にはWoWの自分のギルドで競技会やコンテストを開いていたし、2011~2014年には自分のマインクラフトサーバーを立ち上げて毎月建築コンテストを開いていた。2014/7にMSSを始めた後、次の一手としてそれを開催するのが自然に思えた。そもそもMSSはモッダーのプロモーションと促進の基盤を目的としたものだから、コンテストの運営はみんなに動機を与える良い手段に思えたんだ。

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Modathonを5月に行うのも自然な選択に思えた。だって5/1はモロウウィンドの発売記念日だし、多くの人にモッダーになるきっかけを与えてくれたこの素晴らしいゲームを祝うなら、MODを作るのが一番だろう? これまでのところは大成功だったし、Modathonはここ4年でTESのモッディングコミュニティにおける最大の周年モッディングコンテストになった。

去年のMorrowind May Modathonでモロウウィンド発売15周年を迎えました。これほど長い間、人々をモロウウィンドのMOD制作に駆り立てる理由は何でしょうか?

そんな質問をされるなんておかしなものだね。だってモロウウィンドのモッディングインタビューで毎回僕が聞く質問だからさ。31人のモッダーに聞いたけど、どれも違う答えだった。コミュニティのため、人のためという者もいれば、ゲーム自身のためだという者もいる。モロウウィンドというのは大したゲームで、人々を呼び戻し、新たな人々を呼び込む魅力を持っている。僕たちの多くがモロウウィンドのモッディングコミュニティを故郷だと感じていて、しばらくの間、なんなら10~12年離れることもあるけれど、いつか必ず帰る家なのさ。

これは間違いなくコミュニティの持つ精神のおかげだ。ここはゲームの歴史を通じてモッディングプロジェクトに取り組む人々にとっての故郷なんだ。僕たちのプロジェクトは1年単位ではなく、10年単位で語られる。Tamriel Rebuiltは今年の夏に17年目を迎えるが、実はモロウウィンドよりも年上なんだ! Skyrim - Home of the Nordsは今年の秋に13年目を迎えるし、Province: Cyrodiilはもうすぐ11年目、Morrowind RebirthとLyithdoneaはどちらももうすぐ10年目だ。長い年月を経たにもかかわらず、こうしたプロジェクトに取り組む献身的で活動的なモッダーがまだたくさんいる。Tamriel RebuiltやSkyrim - Home of the Nordsといったプロジェクトに取り組む何十名ものモッダーから、RebirthやLyithdoneaに取り組む小グループまで、年がら年中幅広い活動を続けている。TrancemasterやMelchior Dahrkといったモッダーたちが、個人で始めた小さなプロジェクトを野心的で大きなプロジェクトへと育ててきたんだ。

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今年のMorrowind Modathonの結果はどうでしたか?

これまで見たこともないほど素晴らしかった。Modathonはモロウウィンドのモッディングコミュニティにおいて既に定番だが、今年のレベルは僕の予想をはるかに上回っていたし、モッディングコンテストのこれまでの記録を塗り替えたと言ってもいいと思う。今年のModathonには去年の3倍ものMODがエントリーした。モロウウィンドみたいな古いコミュニティで45人のモッダーから89ものMODがエントリーされ、しかもクエスト、アイテム、ゲーム要素、スクリプト機能、生産システムといったおよそ考えられる全てを網羅しただなんて、とても信じられないだろう。

参加者が増えた主な要因は実績システムだと思う。しばらく前から弄んでいたアイデアだけど、直前になって追加することにした。結局、ゲームで実績が得られるならモッディングしない理由はないだろう? 僕はModathonの一週間前にこのアイデアをMelchior Dahrkに投げてみた。そして一緒に議論するうちに、一定のENDORSEMENTやダウンロード目標に応じて得られる成果から、MODで面白くてユニークな試みをすることで得られる隠し実績まで、バッジがいつの間にか出来上がっていた。実績に関するデザインの功績は僕ではなくMelchiorのものだけど、最終的にはMODをエントリーすることでアンロックされる60弱の実績が用意できた。

これがモッダーの参加を少し後押しして、あわよくば主流ではないモッダーたちに勇気を与えればいいと思っていたけど、予想以上の効果があった。みんな実績をアンロックしたくてMOD制作に励み、参加者が急増した。Morrowind NexusのHot FilesにあるMODを見ると分かるけど、ほとんどのMODには説明文の末尾に小さな実績バッジがある。モッディングのゲーミフィケーション(ゲーム化)によってすごい成果が得られたものの、これからどうするか?という課題がある。まだ分からないけれど、今はこの実績システムをどうやってより長期的なものに拡大するかというアイデアに夢中なんだ。

あなたの主催するコンテストはModathonだけではありませんね。他のコンテストがどういったもので、恒例のModathonと何が違うのか教えてください。

ああ、その通り。僕はModathonとは全く正反対のMorrowind Modding Madnessも主催している。Modathonは誰もが参加できてコンテンツにも制限がない。一方、Morrowind Modding Madnessは厳密なテーマのあるチーム参加型のモッディングコンテストだ。10月のチャレンジは前後2週間ずつに分かれている。どちらのチャレンジもスクリプトを使ったゲーム内の塔によってランダムに生成され、各チームは生成されたテーマに沿ったMODをわずか2週間の間に提出しなければならない。参加作品は審査員によって採点される。期限内に本当に良いMODを2つ作れるチームだけが勝利できる、スキルと耐久力が試されるコンテストだ。

Morrowind Modding Madnessの趣旨は、チーム作りを促進し、モッダー間の連携と共同作業を促し、締め切りに挑戦させることだ。つまるところモッダーとは孤立主義者の集まりだけど、時には一緒に作業したり励まし合う必要もある。そうした時の成果は素晴らしいものとなるんだ。

興味のある人のために言っておくと、今年のMorrowind Modding Madnessのチーム登録は9/1からだ。NexusフォーラムとRedditに用意されたスレッドでチーム登録すれば参加できる。コンテストの開始は10/1からだ。

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こうしたモッディングの「ゲーミフィケーション(ゲーム化)」は、他のゲームのモッディングシーンでも効果的だと思いますか?

もちろん。Modathonが定期的なモッディングコンテストの持つ可能性を示してくれたと思う。モロウウィンドみたいにアクティブなモッダーが年平均で300~400名程度の小さなコミュニティであれば、Modathonのようなコンテストが大きな成功を収めるだろうが、より大きなモッディングコミュニティでも上手くいくだろうか? いつも驚かされることだが、新しいベゼスダゲームのためのコンテストは僕の知る限りほとんどない。実例としては、2015年にr/skyrimmoddingコミュニティで4か月ほど開催されていた月例モッディングコンテストがあるが、あれ以来何も聞いていない。

ゲーミフィケーション」に関してだけど、今年のModathonでは特定のタイプのMODをリリースすることでアンロックできるバッジが手に入る実績システムを使った。僕は今年のイベントで大量の参加者を得られたことに肯定的だ。誰にとっても大いに楽しめたし、こうしたモッディングの「ゲーミフィケーション」システムを導入することで、モッダーに異なる種類のMOD制作を促すことができ、より大規模にモッディングの世界に人々を呼び込むことができると確信している。実績収集に何らかの依存性があるのは認めるだろう? これはSteamが順調な理由の一つだし、Morrowind Modathonが上手くいくなら、SkyrimFallout 4といった他のゲームを支持するコミュニティでも上手くいくはずだ。誰かが実現するのを見てみたいものだよ。

モロウウィンドの大ファンであるあなたから見て、新しいエンジンを与えることでモロウウィンドを再活性化させようという野心的な2つのプロジェクト、MorroblivionとSkywindをどう思いますか?

どちらのプロジェクトについても進捗状況は特にチェックしていないし、最近ではモロウウィンドのコミュニティから出ることはあまりないけれど、あちこちで見るスクリーンショットを見る限り、とても印象的で有望なプロジェクトだ。しかし何よりも、これらの大規模なコミュニティの挑戦は、あらゆるモッディングコミュニティの成功にとって非常に重要だと思う。Skywindのようなプロジェクトは、共通の目標に向かって働くモッディングのベテランや、新たな展開に興奮する一般プレイヤーを呼び寄せ、モッディングそのものに関わるきっかけを与えてくれる。こういったプロジェクトに導かれてモッディングを始める新米モッダーがどれほどいることか。何百? 何千? こうしたプロジェクトがコミュニティにとても良い影響を与えるのは間違いない。その点だけを考えても、これからの発展を見るのは刺激的だろう。

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とはいえ、僕がMorroblivionやSkywindをプレイすることはなさそうだし、おそらくモロウウィンド・コミュニティの他のモッダーもそうだろう。すでにモロウウィンドがあるから新しいプラットフォームは必要ないし、改善したければ自分たちで作ればいいから、僕たちはこれらのプロジェクトの求める利用者とはならない。MorroblivionやSkywindは、モロウウィンドのグラフィックやゲームシステムが好きになれないプレイヤーに史上最高のRPGを紹介する最良の手段となる。それに、僕たちにはすでにTES III: Morrowindのエンジンを使って僕たち自身のタムリエルにシロディールやスカイリムを追加する、Province: CyrodiilやSkyrim - Home of the Nordsといった刺激的なプロジェクトがある。

Youtubeチャンネルで毎週「Morrowind Modding Showcases」を放映していますね。紹介するMODの選択基準は何ですか?

よくあるMODショーケースチャンネルとは少し違って、Morrowind Modding Showcasesのメインシリーズではエピソード毎に13個のMODを取り上げ、みんなに幅広く紹介することに重点を置いている。これはショーの重要な基準でもあり、各エピソードでは様々なカテゴリを織り交ぜるだけではなく、過小評価されている隠された秘宝や人気の傑作など、新旧のMODも織り交ぜて紹介している。長年モッディングを続けてきたベテランであれ、初めてMODをリリースした新人であれ、誰もがMODを取り上げられて世に紹介される機会を得るべきだと考えているからだ。僕たちみたいに小さなコミュニティでは、モッダーが離れていかないように励まして宣伝してあげることが大切だ。だから紹介される機会を均等に与えることが最重要なんだ。

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とはいえ、ショーケースで取り上げられるには、ちゃんと動いてゲームを壊さず、最低でもそれなりの品質と構造を持ち、独創性とユニークな創造性がないといけない。それにチートMODやアダルトMODは僕たちのチャンネルでは取り上げない。MMSはファミリー向けだから、明らかにヌードや性的要素のあるMODは取り上げないし、少しでもアダルト要素のあるMODについては動画の説明で警告するようにしている。

MOD制作者としてのあなたにお聞きします。あなたがMODを制作する動機と、駆け出しMOD制作者へのアドバイスをお聞かせください

僕のMODが有名だとは思わないし、せいぜい小クエストやダンジョンを制作するモッダーといったところだけど、MOD制作は大好きだ。僕は物語を読むの語るのも大好きで、それがクエストMODを作る動機となっている。モロウウィンドはテキストベースの対話向けのほぼ完ぺきなプラットフォームだし、TESシリーズで一番詳細なクエストジャーナルシステムは、声優の限界を心配することなく、自分のクエストやキャラクターの細部を思う存分語れる最良のシステムだ。CSにはCKみたいにモッディングを少し楽にするこまごまとした機能がないので、モロウウィンドでのクエストデザインはかなり面倒で、CSでの作業は退屈だ。でも自分の創造物が生き生きと物語を語る様子を見ると、MODを作り続けようという意欲が湧いてくるんだ。

アドバイスしておきたいことが2つある。1つ目は新しい事への挑戦を恐れないこと。多くの人がクエスト作成やスクリプティング、それにワールドデザインといったCSの特定の側面に恐れをなしている。でもそれは「クエストの作成は難しいはずだ」といった幻想にすぎず、実際にはどれも難しくない。勘違いしないでほしいんだが、たとえミスをしようと、挑戦しなければ覚えられない。自分の作ったものがうまく動くのを見るのはこの世で最高の気分だし、それまでの苦労も吹き飛んでしまうよ。

2つ目は批判を恐れないこと。天に触れられた神の才能でもない限り、最初のMODは特に驚くものでも良いものでもないはずだ。建設的な批判を受けて学ぶことが重要だ。

コミュニティに言っておきたいことはありますか?

言い残したことが一つある。Morrowind Modding CommunityのDiscordサーバーをチェックすることをお勧めする。ここ数年でモロウウィンドのモッディングシーンは大きな進化を遂げたんだ! モロウウィンドのマルチプレイヤー化という夢が遂にTES3MPによって実現され、協力プレイゲームやMMOのようにフル機能のマルチプレイヤー体験ができるようになった。しかもコミュニティにあるMODのほとんどが完璧に動作する。Tamriel RebuiltSkyrim - Home of the NordsProvince: Cyrodiilといった地域追加MODでは大規模リリースの準備ができていて、今年の末に旧エボンハートとドラゴンスターを含むリリースが予定されている。Morrowind Rebirthではつい先週に最新版がリリースされたところだ。MWSEの新機能であるLuaスクリプティングは、モロウウィンドのゲームエンジンでは不可能だったことを可能にし、モッディングの新分野を開拓した。既に何十ものLua MODがリリースされ、新しい便利な機能やゲームの仕組みが提供されている。

コミュニティの歴史の中で、これほど多くの開発が進められ、これほど大きな成果が得られた時期はなかった。そして忘れてはならないのは、10/1に始まる第三回Morrowind Modding Madnessだ! もしご無沙汰しているなら Morrowind Nexusページに立ち寄って、コミュニティのDiscordサーバーやフォーラムを覗いてほしい。みんな友好的だし、新しい人はいつだって大歓迎だ! 君のためにフィッシースティックを用意して待っているからね!

質問に応じてたこと、モロウウィンドコミュニティのための行いに感謝します。あなたやコミュニティのために何かできることがあればいつでも知らせてください!

以上


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