Thinking Skeever

Skyrim/The Witcher 3 Modについてのあれこれ。FoModの作り方、Mod導入時のトラブル事例などのニッチな話を書いていきます。a.k.a. BowmoreLover@nexusmods

Nexus Modsニュース和訳:クリーチャーが主役 - MihailModsのインタビュー (2018/11/02)

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2018/11/2のNexus Modsニュース Creature Feature - MihailMods(クリーチャーが主役 - MihailModsのインタビュー)の和訳です。聞き手はBigBizkit。


クリーチャーが主役 - MihailModsのインタビュー
元記事:Creature Feature - MihailMods
投稿者:Pickysaurus (コミュニティマネージャー)
投稿日:2018/11/02 (UTC)

目次



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はじめに

今週はMihail (MihailMods) のインタビューをお送りする。MihailはSkyrim/Skyrim Speciail Editin用クリーチャーMODの膨大なコレクションで最もよく知られる人物で、100以上の作品を一つにまとめたメガパックのリリース準備を進めている。

お忙しいところありがとうございます。MODの話題に入る前に少し自己紹介をお願いできますか?

Nexusのスタッフ、そしてNexusコミュニティのみなさん、こんにちは。今日こうしてお話しできてとても嬉しい。インタビューを受けるのは大変喜ばしいことだし、これまでの2年間このサイトにいられたことを嬉しく思っている。

僕はプロフィールの写真どおりの男だよ! 名前はミハイル、40歳のルーマニア人だ(実は移民の息子でメキシコ生まれだ)。人生の大半をヨーロッパで過ごしてきたが、2008年以来南アメリカ諸国に住んでいて、今はブラジルで太陽とビーチを満喫している。

元アスリートで武道の教師をしていたが、悲しいことに2008年に引退することになった。2001年と2003年に2回の重傷を負ったおかげで選手生命が短縮されてしまったんだ。アカトシュのおかげで普段の生活にはほとんど支障はないが、スポーツに復帰したら車いす生活を送ることになるので、引退したままでいなきゃならない。

ビデオゲームもまた大きな情熱のひとつだ。ゲームの改造を始めたのは1998年で、初タイトルがリリースされた1994年からずっとTESの大ファンだ。今は自由な時間がたくさんあるし、ラテンアメリカでの10年間、自分が役立たずで非生産的だと感じていたから、モッディングはただの趣味以上のものなんだ。もし僕がコミュニティに多くのものを与えていると思うなら、みんなも僕に多くのもを与えてほしい。一番重要なのは僕の自由時間だということ。毎日普通の仕事をしながら、最低8時間はモッディング活動をしている。

スカイリムに奇妙にも素晴らしいクリーチャー軍団を生み出しましたね。命を吹き込む獣を選ぶ際、どこからインスピレーションを得るのですか?

褒めてくれてありがとう。TESの動物寓話集をすべて提供するのが元々の計画だったから、クリーチャーの大半はTESの公式の伝承に基づいている。スカイリムの荒野の雰囲気にフィットしないものもいるが、異国のペットにしたり召喚生物にしたりとやり方はいくらでもある。巨大動物や畜産動物などのより「現実的な」動物も紹介しようとしている。さらに、ダークソウルやブラッドボーンなど他のRPGの大ファンとして、これらのゲームに登場する獣に触発されたクリーチャーにイマーシブな伝承を添えて紹介している。TESでの判断基準はとても主観的でオープンだから、このやり方でプレイヤーの論理やイマージョンを壊すことなくTES世界を拡大してきた。

僕はウィッチャーの世界と動物の大ファンでもある。CD PROJEKT REDは親切にもアセットの利用を許可しているので、ウィッチャーからスカイリムにクリーチャーを持ってくることもある。

それに神話上のクリーチャーも扱っているし、みんなからの提案も受け入れている。たとえば最近リリースしたゼルダの伝説のゴロンは、僕のDiscordサーバーのメンバーから提案されたものだ。

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制作するクリーチャーのお気に入りのテーマ(悪魔、怪物、前史の動物など)はありますか? 特に気に入っているものはありますか?

とりわけアンデッドは好きじゃない。最終的な結果は好きだけど、透明化に幽霊FX、恐ろしいHDテクスチャ、それに腐ったパーツなんかが必要だし、少し疲れてしまうんだ。動物やヒューマノイド、特にデイドラの制作が好きだね。デイドラの中から1つ選ぶとしたら、精霊とゴーレムの制作がお気に入りかな。自分のMODはどれもお気に入りだけど、最近リリースしたゴブリンとケンタウロスには特別な愛を感じている。

クリーチャーの制作は自分一人で? それとも誰かと一緒に? (もしチームがあるなら教えてください)

いつも身軽に作業したいから、グループでうまくやれるような男じゃないんだ。一年以上ずっと一人でクリーチャーを作り続けてきた。2018年に入ってDark CreationsのBerkian/Beyond Skyrimなど、素晴らしい制作者たちとの動物のコラボレーションを始めたが、再モデリングしてアニメーションさせる必要があるから、残念ながらまだ作業中だ。あいにくクリーチャー(アンデッド、モンスター、デイドラ)のコラボレーションの申し出はなかったが、2か月前に親友のSoN6of6TrediSとパートナーシップを結び、連名でMODをいくつかリリースしている。とはいえ、MihailModsの制作を裏から支えてくれる素晴らしいチームメンバーがいる。最初の頃から一緒にいてくれた親友のJoseph RussellはクエストMODを手伝ってくれた。今では彼もNexusで自分のMODをリリースしている。仲間のRustyShackleford69も最初の頃から伝承について手伝ってくれたし、僕のDiscordサーバーの設立者であるLonenorsemanも良き友人だ。他にもMihailModsサーバーのモデレータ、Mara、Eboni、Zio、Spasticon1という素晴らしい仲間もいる。さらに、良き相棒であるUrzumoghDrunkfaceとの新しいパートナーシップが始まりそうだ。

あなたのクリーチャーは独立したMODとして素晴らしいだけでなく、他の作品に追加できるようにオープンソースを維持されています。このようにした理由は?

Dragonborn DLCがリリースされる前、僕はある作者と一緒にSkyrim用MODのプロジェクトに取り組んでいたが、一度離れて2016年9月に戻って来た。今度はクエストMODを作ることにしたが、スカイリムにいる動物はTESの動物寓話集の3割にも満たないことに気付いた。神話上のクリーチャーも一般的な動物もいないんだ。他のクリーチャー制作者andIiから提供してもらったクリーチャーを使って自分のクエストMOD Sulfur and Fire、Corprusarium、Hall of Memoriesを作ろうとしたが、自分の欲しいものが揃っていなかった。だからクエストの制作を中断して、ユニークなクリーチャーを取りそろえた大規模イマーシブクリーチャーパックを作ることにした。単なるプレイヤー用のスタンドアロンMODではなく、モッダーがリソースとして利用できるようなものをね。必要なものがすべてそこにあって、実際に自分のMODで使うことができて、クリーチャー探しに苦労することもなく、無作法なMOD制作者から許可を得る必要もなく、クエストの制作に専念できるようなものをね。必要なクリーチャーが入手できなくてMOD制作できない人を無くす、これが主な目標だ。

あなたのクリーチャーを使ったMODの中で特に気に入ったものはありますか?

残念ながら僕のクリーチャーを使っているMODはほとんどないんだ。ちょっと悲しいね、僕のクリーチャーを使うMODはたくさんあるはずだけど、既にリリースされているものはごくわずかなんだ。

2016年に復帰したとき、モッディングのことをほとんど忘れていた。特にユニークなクリーチャーの制作に関しては知らないことがたくさんあった。

正直に言うと、それまでクリーチャーMODで行われていたことは、単なるリテクスチャ、単純なマッシュアップ、元となったバニラのクリーチャーの体型と寸分たがわずアニメーションさせることだけだった。こららのMODの制作者には大いに敬意を払うが、僕は新しくてユニークなものを求めていた。だから腕が2本で脚が4本のクリーチャーや羽ばたく羽根を持つヒューマノイド、頭がたくさんあって腕が4本のクリーチャーといった新しい体型をうまく作れないか探求しはじめた。僕の人魚、ケンタウロス、ハーヴェスター(収穫者)、ハイドラ、ドゥルーを見ても分かるとおり、これに成功したんだ。それに、クリーチャーに独自のサウンド、挙動、戦利品、エフェクト、呪文なども持たせたかった。どれも実験的なもので、最初のMODにはグリッチ、バグ、サウンドが大きすぎる、バランスが悪い、強すぎるといった問題があった。でも時間をかけて学び、以前のMODを修正しながら新しいモデルのクリーチャーをリリースしている。

既にこうした問題を経験した人はいたものの、彼らは作品をアップデートしなかったため、その成果は忘れ去られてしまった。だからこれまでの2年間、自分自身で改善するしかなかった。より良い作品を制作して無料でコミュニティに提供するために、大変な努力をしてきたんだ。

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MODの制作に使用するツールについて教えていただけますか? どういう理由で何を使用しますか?

NifskopeとCreation Kitを基本に、モデリングとリトポロジにはZBrush、リギングとライトモデリングには3DMax、テクスチャ制作にはPhotoshopを使っている。モッダーなら誰もが同意すると思うが、ZBrushは最高と言ってもいい。リギングに関しては3DMaxがとても使いやすいと思う。Blenderは何年も使ってきたが、いまだに馴染めず好きになれない。スカイリム用の独自クリーチャーの作成チュートリアルはとても少ないし、段階を追って説明するものはBlender用のものがわずかにあるだけで互換性がない。だから近いうちに最初のスカルプトからCreation Kitでの最終設定までの完全なチュートリアルを公開すると約束しよう。

クリーチャーのステータス/能力の設定では、ゲームでのバランスを取るために何を考慮しますか?

何事もイマーシブかつ合理的であるべきだと思う。さっき言ったように、最初のクリーチャーではステータスとバランスで誤りを犯したが、今では完全に修正されている。一部特に強力なクリーチャーがいるが、これミスではなく完全に意図的なものだ。

オールドスクールゲーマーの僕としては、すべてが平準化されるという考えが気に入らない。レベルが低い間はクリーチャーから逃げる必要もあるだろう。自分のレベルに関係なくすべての敵を倒せるゲームなんて納得できない。だから僕のMODにおけるステータス/能力/バランスは、モロウウィンド/オブリビオン/スカイリム/ダークソウルシリーズでのゲーム体験のミックスなんだ。

それにゲームを楽しむ上で戦略も非常に重要な要素だと考えている。だからボスタイプのクリーチャーでは、地形、相手の動き、弱点といった攻略方法を用意している。どのクリーチャーにも独自の特殊能力/弱点/抵抗力/行動タイプがあるから、戦う前に敵を観察して、どう戦うのか推理するといい。

さらに、世界を生き生きとさせるための努力もしている。侵入者の山賊から洞窟を取り戻そうとするゴブリン、ツンドラでシカを狩る巨大テラーバード、眠りを邪魔する鉱員を攻撃するゴロン、墓地を彷徨うゴースト、道で旅人を襲うオーガなど、プレイヤーに関係のない様々な出来事が起こることで、世界はより生き生きとするんだ。

レベルドリストに手を加えることには反対だ。たとえばアヒルのような100以上の個体のいる種族であっても、ひとつひとつ手作業で配置する。別にゲームを僕のクリーチャーだらけにする必要はないし、選択的にクリーチャーを置くだけでも場所が足りないくらいだ。

“Shadows of Dagoth Ur”サーガという一連のクエスト作品がありますが、これについて教えていただけますか?

さっきも言ったように、The Corprusarium of Solstheim- Shadows of Dagoth Ur pt.1Sulfur and Fire- Trial of Mehrunes DagonThe Hall of Memories - Reencounters in Moonshadowは現在Hiddenとなっている。他の作者によるクリーチャーは使いたくないし、自分の求めるものでもないから、自分自身でクリーチャーを作るまで隠すことにした。このインタビューが公開される頃には再公開されるか公開直前だ。クリーチャーだけではなく風景やクエストにも大きな改善が行われた様子が見て取れるだろう。

Shadows of Dagoth Ur pt.2にはまだタイトルはないが、モーンホールドとネクロムの間、モロウウィンドの沖合に浮かぶソルスセイムほどの大きさの島が舞台となる。漁師の住む島で、火山があり、復活を遂げたダゴス・ウルの魂が再び世界を征服してコープラスを蔓延させようとしている。これはCorprusarium MODの続編で、みんなにも気に入ってもらえるはずだ。

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あなたのようなMODを作りたい人にアドバイスはありますか?

自分なら出来ると信じること。他人のやったことを真似せず、自由な発想でユニークなものを作ること。モッディングでは、理路整然と考えてもバニラゲームの焼き直しになるだけだ。他の方法を見つけ、失敗を恐れず、間違いから学び、後で改善していく必要がある。常に自分自身に厳しく、自分の作品に対する最大の批評家かつ大ファンであれ。おっとまだある。コミュニティの全員を満足させることはできない。たとえ完璧なMODを作ろうとも、自分のせいではないことに文句を言う人がいるからね。コミュニティの5割はクリーチャーMOD制作の難しさを知らないし、自分の体験した障害やSkyrimのエンジンの限界(例えば新規アニメーションの追加)を理解していないはずだ。心を込めて取り組めば認めてもらえるから惑わされないように。だが、新しい作品を作るたびに自分の価値を証明すべきだということを忘れないように。

僕は最初から自分の作品がゴミだ、ダメだ、最悪だ、モッディングに対する冒涜だといった話を何度も聞かされてきた。他のモッダーからもね。モッダーにアセットの利用許可を求めて「ノー」と言われることも度々あった。モッディングに関する問題で他のモッダーに助けを求めて無視されたことも一度や二度じゃないし、君にはモッディングシーンでの将来はないよと言われたことも度々ある。だがNexusスタッフとコミュニティに認められ、こうしてインタビューを受けることができた。だから常にコミュニティに最大の敬意を払い、利己的な行動を避け、常にベストを尽くさねばならないことを理解すれば、みんなにも出来るはずだよ。

以上だ。みんなには本当に感謝している。最高なモッディングを続けよう。

最後に

インタビューに答えてくれた Mihail に大いなる感謝を!

紹介してほしいMOD制作者やプロジェクトがあれば、BigBizkitまたはPickysaurusまで提案してほしい。

以上


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