Thinking Skeever

Skyrim/The Witcher 3 Modについてのあれこれ。FoModの作り方、Mod導入時のトラブル事例などのニッチな話を書いていきます。a.k.a. BowmoreLover@nexusmods

Nexus Modsニュース和訳:Kinggathと共に過ごすひと時 (2018/9/14)

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2018/9/14のNexus Modsニュース Settle in with Kinggath(Kinggathと共に過ごすひと時)の和訳です。Sim Settlementsの作者Kinggathさんへのインタビューです。聞き手はBigBizkitとPickysaurus。

Kinggathと共に過ごすひと時
元記事:Settle in with Kinggath
投稿者:Pickysaurus (コミュニティマネージャー)
投稿日:2018/9/14 (UTC)

目次



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はじめに

今日はFallout 4 モッディングコミュニティの中心人物であり、究極の住居建築体験ができるSim Settlementsのブレーン、kinggathと話をした。このMODはアドオンやシティパックといったカテゴリの基盤となるフレームワークを持っている。

今回のインタビューでは、Kinggathへのインタビューの模様を音声でも公開することにした。このやり方についてみんなの意見を聞かせてほしい。


補足: このSoundCloudのリンクは自分のMODページやフォーラムに貼っても構わない。

BigBizkit: Fallout 4で人気のSim Settlementsの作者として知っている人が大半でしょうが、まずは自己紹介をお願いできますか?

kinggath: いいとも。フリーランスWebデザイナー/プログラマーで、IT関連のことなら大体なんでもこなせる。15歳のときにQuake 3でモッディングを始めたときは別の名前だったが、まだ悩み多きティーンエイジャーの頃で、誰も知る必要のないガラクタなMODを作っていたから、その名を明かすつもりはない。それからHalf LifeStarcraftWarcraft3へと移り、どのゲームでもいつの間にかモッディングに入り込んでいたが、本気になったのはFallout 4が初めてだ。大好きなこのシリーズをもっと良くしたいと思ったのさ。

Pickysaurus: あなたの作品を知らない人のために、あなたのMODがどういったものなのか説明していただけますか?

僕はSim Settlementsとそのエクスパンジョンでよく知られているが、それ以前に初のFallout 4用MODとしてガラクタ収集家向けのイマーシブな解決策となるSalvage Beaconsをリリースした。ベゼスダゲームプレイヤーの大半は世界中のモノを拾うのに夢中だと思ったし、僕自身バックパックMODを使ってキャラクターに1,000ポンドもの荷物を背負わせるよりもイマーシブな体験を望んでいた。居住地が全く役に立たないのを見て、「ビーコン」を置いた場所のアイテムを居住地の住民に回収させることを思いついた。これが最初のMODとなり、かなりの人気を得た。それからサバイバルモードをプレイしていて、居住地の見た目をカッコよくするために細かいものを建てていく作業にうんざりしてしまった。だからゲームを止めて、後にSim SettlementsとなるMODの制作に着手したんだ。

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基本的に、Sim Settlementsは簡単に居住地の見た目を良くする手段であり、居住地に戻る理由を与えるものだ。「バニラ」の居住地で無駄だと思ったのは、どれだけ努力して建築してもどういう見た目になるか分かり切っているので、探索する価値がないことだ。ベゼスダゲームに皆を引き付けるためのあらゆる探究が成されているから、僕は今のものをはるかに超えたシムシティのモデルからスタートすることにした。居住地に「シムシティ的な」なプレイ要素を与えるというのが最初の思い付きだった。つまり、個別にベッドや作物を作っったり建築物を置いたりするのではなく、「プロット」を与えるだけで入植者がやって来て自動的にランダムな何かを建築する。居住用に住居を建て、商業用に店を建て、といった具合にね。

こんな感じで成長を続け、居住地全体を建築できるって寸法だ。2年の開発期間を経た今、Sim Settlementsには多くの深みが増した。

BigBizkit: 話は変わりますが、モッディングで忙しくないときにやりたい趣味はありますか?

別の趣味の一つにミュージックビデオとマシニマ制作がある。今ではSim Settlementsのトレーラー動画制作で練習することが多くなった。歌と映像、特にゲームのものを切り貼りして面白い動画を作るのが大好きなんだ。実生活で撮影した動画でやったこともあるけれど、コンピューターの前に座ってるだけだから公開したくないね。Sim Settlementsのトレーラーでは最近パッチの動画を作ったけれど、とても楽しめた。今はミュージシャンと一緒に彼らの曲をマシニマのミュージックビデオを作ろうとしている。有名なミュージシャンではないけれど、僕の秘かな楽しみといったところだ。暇な時間を全部Sim Settlementsにつぎ込んでいるので(不満ではないよ)戻れるかどうか分からないけれど、以前はTCG(トレーディングカードゲーム)をやっていたので、マジック:ザ・ギャザリングやハースストーンなんかで遊んでみたいね。

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Pickysaurus: Fallout 4以外のゲームはプレイしますか?

今はないね。ゲームに夢中になってしばらくモッディングして、ゲームが終わったらモッディングもやめて別のゲームに移る、というのがいつものパターンだった。でもFallout 4では達成目標を立てることにした。基本的には自分の見たい体験の構築にチャレンジして、完成したと感じたら別のゲームに移ることになるだろう。自分のプロジェクトにすごく力を入れるから、一度に多くのプロジェクトを進行するのは難しいんだ。一つのことに集中して取り組む方がいい。

Fallout 4用に別のMODを作るつもりはないのかと聞かれることもあるし、いくつか考えているものもあるけれど、自分としてFallout 4に大きく貢献できるのはSim Settlementsのような居住地カテゴリのものになるだろう。つまり僕が夢中になったもにね。Fallout 4には居住地のゲーム体験をより凝縮するためにできることがたくさんあると思っている。

やることがまだたくさんあるから、しばらく(モッディング可能な)他のゲームは見ていない。次は何にするかはっきり分からないが、ウィッチャー3か、いずれリリースされるCyberpunkをモッディングしたい。自分がモッディングするならベゼスダのRPGものがいいと思っている。彼らはツールを提供してくれるしモッディングに熱心だからね。それにゲームにMODマネージャーが組み込まれている。他のゲームもこうなってほしいものだよ。こういったものが最初から提供されるまで、僕はベゼスダにこだわるだろうね。

BigBizkit: ゲームのMODの将来やベゼスダゲームという話が出ましたが、経験豊富なFallout 4モッダーとしてFallout 76をどう思いますか? いずれ何らかの形でモッディング可能になると思いますが、何か計画はありますか?

場合によりけりだ。彼らは栽培に必要なレア素材がどういったものになるのか話していたから、ゲームの終盤はどうやらMMOみたいになるらしい。そういったゲーム終盤の繰り返し作業には退屈させられる。僕はシングルプレイヤーのゲームが好きなんだ。

僕が愛してやまないことがいくつかある。ひとつはすべてを征服して誰にも体験を邪魔されず、その世界の神であるように感じることだ。初回のプレイは別として、ゲーム世界のどこで何を学び、どうゲームを進めるかを自分で決めることができる。だからFallout 76のマルチプレイヤー要素にはイライラさせられる。ベゼスタゲームのファンの多くもそう感じているだろう。不快だね。向こうで同じような体験をするにはどうすればいいか理解し難いが、これまでマルチプレイヤーのゲームでも必ずMODを使ってきたから、マルチプレイヤー向けにモッディングし直すという考えには興味がある。でも彼らのやり方次第だね。

どういう仕組みになるのかまだ曖昧だし、それに時期の問題もある。モッディングツールがいつ提供されるのか分からない。Fallout 4ではモッディングツールが提供されるまでに6か月ほどかかった。通常のMMOで準備を整えてサーバーを安定させるまでの期間を考えれば、Fallout 76ではもっとかかるだろう。だから彼らがツールを提供するのはそれ以降だと思っている。

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見た感じは美しいから、ゲームが楽しめるならプレイするつもりだ。見た目は本当に見事だから、最初にトレーラーが公開されたときはシングルプレイヤーであってほしいと願ったものだ。これほどゲームエンジンが改善されるならいろんなことができるからね。だから内容次第ではFallout 76に移るつもりだけど、今分かっていることが全部本当なら、もっぱらマルチプレイヤーのゲームとしてプレイされることになり、僕の好きなゲームスタイルとはならない。そういったゲームの周回プレイは退屈だし、参加したいとは思わないね。

Pickysaurus: これまで対話したTheModernStoryTellerやEnai Siaionといった制作者はモッディングからゲーム開発への転身を考えていました。あなたもこうした転身に興味がありますか?

よく分からない。ゲーム開発に進むにはいくつか問題がある。一つは今ある資産が使えなくなることで、急激な成長が求められることだ。出来合いのゲームのコアを失うことで、作業不可は激増するだろう。これまで2年間Sim Settlementsを開発してきたが、自由な時間はすべてつぎ込んできたし、一瞬たりとも自分のための自由な時間はなかった。既に作業時間の限界に達しているし、今では大きなチームになっている。それにゲームに必要なコンテンツに近いものすら制作していない。チームの作業時間と制作したコンテンツから推定すると、ベゼスダゲーム規模のゲームを作るとすれば、完全なゲームに必要なコンテンツの1/100が手元にあると思う。ゲーム開発をやってみたいかと言われればイエスだ。僕の好きな大規模ゲームで働くチャンスを得るには企業に入るしかないけれど、平社員から出世していくといったゲーム開発の「食物連鎖」に対処できるかどうか分からない。となるともう一つの選択肢はインディーズ開発となるが、こちらにも問題がある。経済的負担やストレスがあるし、かなり小規模なプロジェクトでなければならない。興味はあるが、そこにたどり着く現実的な道筋が見えない。

BigBizkit: ではSim Settlementsの話に戻りましょう。Sim Settlementsをベースに制作されたユーザー作品の中で、特に感心したものはありますか?

ああ、いくつかある。実際、それはSim Settlementsで得た幸運の一つであり、開発をしてよかったと思えることだ。開発していたとき、何百もの建物を作るという大きなマスタープランがあった。そして建物のデザインを始めたとき、「これは時間がかかる。一人じゃとてもできない」と感じたんだ。まだ開発の初期で最初からやり直せる段階だったから、拡張可能にして簡単なチュートリアルキットを作成した。今ではユーザが制作したSim Settlements用のコンテンツが山ほどある。

特に気に入っているものは次のとおり。いつも作者と話しているからアドオンパックの名前は知らないんだ。

  • Ruinedworld - 彼のデザインはFallout 4の美学にとてもマッチした見事なもので、彼のプロットには惨敗だ。今ではSim Settlementsチームの一員となって、アドオンだけはでなくメインMODの制作にも携わっている。
  • TinuviaMyrmarachne - 彼らの作品は見事で、クリエイティブかつアーティスティックだ。Fallout 4の美学からは少し外れるから自分のゲームで使うことはないが、きめ細やかで素晴らしい仕上がりの作品だ。
  • Samutz - 彼らが最近リリースしたVaultパックはすごくインタラクティブで、すべてがアニメーションする。本当にクールだ。


※画像をクリックするとMODページに飛びます

他にもたくさんいるので割愛するが、だからといって気を悪くしないでほしい。どのアドオンパックも素晴らしい作品であることは言うまでもない。上記に挙げたのは限界への突破を試み、新しい機能追加のアイデアを与えてくれた人たちだ。Sim Settlementsはアドオンパックの開発者なしには存在しなかった。彼らは素晴らしく、今日このMODがあるのもすべては彼らのおかげだ。

Pickysaurus: 少し変な質問ですが、Sim Settlementsで可能なら実装したかった機能はありますか?

実は2つある。一つはまだ課題となっている。Creation Clubの強制アップデートに関連して新しい関数が用意されると期待していたが、未だに提供されないんだ。だから我慢するか、PCプレイヤー向けにF4SEをサポートする必要がある。これまで多くのプレイヤーに対して、Fallout 4のプレイヤー全体から見てF4SEの利用者はごく一部だから優先事項ではないと説明してきた。XBoxで利用できないのはもちろんだが、PCでもゲームの破損を嫌って利用者は驚くほど少ない。それはともかく実装したかった機能の一つはこうだ。この前のエクスパンジョンで追加された「パワーアーマーストア」ではオプションに「修理不要」と表示されるが、実際には動的に変化して、修理費を払ってパワーアーマーを素早く修理できる予定だった。いちいち作業台に行って部品を修理する代わりにまとめて修理できれば楽しいと思っていたが、ゲーム本体だけでは不可能なんだ。

もう一つは半分開発が終わっているが、これもF4SEがないと不可能なもので、入植者が自動的に適切な装備を身に着けるというものだ。標準のPapyrusコードだけはうまくいかない。

BigBizkit: MODへの手厚いサポートを提供しつつ開発を続けられていますね。Sim Settlementsの最新機能と将来の計画について教えていただけますか?

この前の大規模アップデートが進行中で、一部のコンテンツはこれからリリースされる(※)。7月はSim Settlementsでお気に入りの作品であるIndustrial Revolutionの1周年記念だった。最新版では新しいテックツリーを追加した。Sim Settlementsに馴染みのない人に説明しておくと、建物をアップグレードするにつれて別の建物を建てられる新しいテクノロジーがアンロックされるものだ。すべてが相互に繋がりあっていて、どこで何がアンロックされるのかという秘密が隠されている。テックツリーの一番上には――誰もアンロック方法を見つけていないはずだ――Euclid作のC-Finderを配置した。これはNew Vegasからのもので、宇宙から衛星を制御して武器として使えるものだ。本当にすごいよ! Shoeburglarは本当に素敵な武器を与えてくれた。

だからチートなしにアンロック方法を見つける人が出るのが待ちきれない。Creation Kitで調べたりスクリプトデコンパイルして見つけた人はいるようだけど、普通の方法で見つけた人はいないはずだ。誰が見つけるのか楽しみで仕方ないよ。

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これからリリースされるものだが、僕たちはSim Settlementsの超巨大エクスパンジョンに取り組んできた。去年(2017)の9月からずっと取り組んできたものだ。僕は常に3~4のプロジェクトを進めていて、チームをグループに分けてすべてを管理しようとしてきた。今は毎週または隔週にアップデートするライブコンテンツに焦点を当てている。次にリリースするエクスパンジョンが何であれ、大きなコンテンツに取り組むチームが常にある。僕には最初に設定したとても大きな目標があって、YoutubeにあるIn-depth動画シリーズを見た人なら、Sim Settlementsに対する僕のビジョンを知っているはずだ。次に達成すべき目標は、居住地に関する要素を他の要素と完全に統合して、別のゲームを感じさせないことだ。というのも、Sim Settlementsを使っていても居住地に関するプレイが無意味だと感じたり、別のゲームを遊んでいるように感じることがあるからだ。まるでFallout 4で遊んでいるのか居住地ゲームで遊んでいるのか分からなくなるみたいにね。僕は2つを融合させて1つのものに感じられるように、片方がもう片方に働きかけ、片方だけでなく両方一緒に繰り返しプレイしたくなるようなものにしたいと常々考えてきた。

※編者注:Sim Settlements: Industrial Revolutionのアップデートは本記事の公開前にリリースされました。こちらにあります

Pickysaurus: 最後にNexus Modsコミュニティに対して話しておきたいことはありますか?

ただありがとうと言いたい。みんなから多くのサポートをいただいた。NexusModsのスタッフは問題解決を助けてくれたりサブカテゴリを用意してくれたり、何テラバイトもあるパッチを文句も言わずに提供させてくれた。それに素晴らしいコメントを寄せてくれ、バグ修正にも我慢してくれたユーザーのみんなにも感謝したい。モッダーとしての能力を後押ししてくれ、開発者として次の段階へと引き上げてくれた素晴らしいコミュニティに対しても感謝したい。多くの人が僕のMODに参加してくれて励ましてくれたおかげで、一歩踏み出して真剣に向き合うことができたし、これからの人生の助けとなる多くのことを学ぶことができた。さっきも言われたとおり、僕は多くのサポートを提供しているが、少し組織的になってきたので新しいスキルを身に着ける必要があった。まるでイーロン・マスク(※)のミニチュアみたいに時間単位で動くようになって、自分生活がどれほど合理化されたことか。僕はもっとルーズな生活に慣れていたから、これを始めたときは恐ろしかった。でも「厳密なスケジュール」に変えて以来、生活全体がより効率的になったんだ。この「ゲーム体験」の機会を与えてくれたみんなに感謝したい。自分の余暇をもっぱらSim Settlementsに割いてくれるプレイヤーがたくさんいて嬉しい。ゲーム体験の中核を担うのはとても嬉しいことだし、Nexus Modsのみんなに「ありがとう、ありがとう」と言い続けなきゃならないね。
※編者注:5分単位で予定を組むことで知られるイーロン・マスクになぞらえただけで、他意はない。

BigBizkit: お忙しい中、お話しいただきありがとうございました。

問題ないよ。今日は呼んでくれてありがとう。

    
※画像をクリックするとMODページに飛びます

最後に

インタビューに答えてくれたKinggathに大いなる感謝を。

紹介してほしいMOD制作者やプロジェクトがあれば、BigBizkitまたはPickysaurusまで提案してほしい。

以上


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