The Witcher 3 MOD:MODの日本語化手順(パッチ1.30/1.31対応)
The Witcher 3のMODの日本語化(翻訳)手順をまとめておきます。
SkyrimやFallout 4とは異なり、The Witcher 3ではMODの日本語化ファイルがあまり流通していません。
本手順は自力で翻訳して日本語化するためものであることに注意してください。
なお、以下のMODについては作者に日本語化ファイルを送付し、NexusModsページで配布していただいています。ご活用ください。
- Friendly HUD by wghost81 aka Wasteland Ghost
12.3~12.5/12.7.1は本体に同梱。
12.7については日本語化修正パッチ配布フォルダ(DropBox共有) で日本語化ファイルを配布中です。
Friendly HUDの解説も参考にどうぞ。 - Friendly Meditation by wghost81 aka Wasteland Ghost
作者に送付済ですがまだ同梱されていません。
日本語化修正パッチ配布フォルダ(DropBox共有) で日本語化ファイルを配布中です。 - Absolute Camera by pMarK
OPTIONAL FILESのAbsolute Camera Japanese Translation 2.2.1を本体2.2.1~2.3に上書きします。
3.0bについては作者に送付済で、本体への取り込み待ちです。 - Immersive Cam by KCS
Immersive Cam 3.1、Alternate Horse Controls 1.7、Immersive Meditation 2.8以降は本体に同梱。
4.1は一部(数項目だけ)が英語になります。4.2ではすべて日本語化されています。 - God Mode - Play How You Want To by jgheld
本体に同梱 - Hud Positioning and Scale by FPSRazR
OPTIONAL FILESのJapanese Translation of Menu 1.1を本体2.3~2.8に上書きします。 - Sort Everything by DJ_Kovrik
本体に同梱注意:v1.33の日本語訳が少し不正確でした。次のように読み替えてください。
(誤)地域別にクエストをグループ化する → (正)完了したクエストを地域別にグループ化する
→ 2/28に再アップロードされたファイルで訂正されました。 - Thoughtful Roach by woodbyte
本体1.30.5に同梱 - Native Depth of Field by KNG(送付済。公開待ち)
- Sword FX by woodbyte(送付済。受理待ち)
- Meditation UI Change by erxv(送付済。受理待ち)
The Witcher 3のMODの日本語化手順 目次
はじめに
本記事はThe Witcher 3のMODを翻訳して日本語化する手順をまとめたものです。
パッチ1.21, 1.22, 1.30, 非GOTY版(Steam版)1.31で動作確認済みです。
GOG GOTY Edition 1.31は持っていないので未確認ですが、本手順で問題ないはずです。
用意するもの
- w3strings encoder by rmemr
パッチ1.30/1.31用の日本語化ファイルを作成するには最新のv0.3.4が必要です。 - テキストエディタ(UTF-8 BOM無およびUTF-16 BOM有で保存できるもの)
筆者はサクラエディタを使っています - デバッグコンソールMOD。パッチ1.22用のMODは次のとおり(パッチ1.30/1.31でも動作するはず)。
動作しない場合はVisual Studio 2015 VC++ 再頒布可能パッケージ(64bit用)をインストールします。- Debug console enabler for 1.22(GOG and Steam) by Skomski
- Debug Console Enabler v1.22 by Aquileon(筆者はこれを使用)
- Debug Console Enabler v1.21 by HeadshotUK - Skomski and Co - Sarcen
- TESVKanjiChecker by BowmoreLover
TW3日本語版で表示できない文字をチェックするのに必要です。FILESタブから次の2ファイルをダウンロードしてインストールします。- TESVKanjiChecker v1.4.1(ツール本体)
- TESVKanjiChecker TW3 Patch v1.0(The Witcher 3用パッチ。ツール本体に上書きコピー)
日本語化手順
日本語化の流れ
手順1:文字列ファイルのデコード
MODのローカライズ文字列はcontentフォルダ内の以下のファイルに格納されています。
ファイル名 | 言語 |
---|---|
ar.w3strings | アラビア語 |
br.w3strings | ブラジル系ポルトガル語 |
cz.w3strings | チェコ語 |
de.w3strings | ドイツ語 |
en.w3strings | 英語 |
es.w3strings | スペイン語 |
esMX.w3strings | 南米スペイン語 |
fr.w3strings | フランス語 |
hu.w3strings | ハンガリー語 |
it.w3strings | イタリア語 |
jp.w3strings | 日本語 |
kr.w3strings | 韓国語 |
pl.w3strings | ポーランド語 |
ru.w3strings | ロシア語 |
zh.w3strings | 中国語 |
これらのファイルが存在しない場合、MODが多言語に対応していないか、ローカライズの必要がないMODです。
中身が英語のjp.w3stringsが用意されている場合がありますが、オリジナル言語と中身が異なる(古い)場合もありますので、本記事ではen.w3stringsからデコードします。
まず、en.w3stringsをw3strings encoderインストールフォルダにコピーします。
次に、コマンドプロンプトを開いてw3strings encoderのインストールフォルダに移動し、次のコマンドを実行します。
実行するコマンド:
w3strings -d en.w3strings
実行例:
C:\Witcher3wk\tools\w3strings encoder>w3strings -d en.w3strings w3strings decoder/encoder v0.3.3 INFO - DECODING en.w3strings to en.w3strings.csv INFO - opening en.w3strings... INFO - identified language: en INFO - found 73 strings INFO - found 73 string key mapping infos INFO - creating en.w3strings.csv... INFO - storing 73 strings
これで次のファイルが作成されます。
- en.w3string.csv 英語用の文字列テキストファイル
手順2:翻訳
テキストエディタでen.w3string.csvを開きます。
例えば、Friendly HUDだとこんな感じになっています
;meta[language=en] ; id |key(hex)|key(str)| text 2110365000|4d5f8b0c||Mods 2110365001|d82f25be||Friendly HUD 2110365002|00331264||HUD 2110365003|060c4b8c||Enable combat modules 2110365004|a26f225c||Enable combat modules on sword unsheathe (以下略)
language=enをlanguage=jpに変更したあと、(|で区切って)4列目のtext列を翻訳します。
特殊文字や制御コードはhtmlタグで記述する規則となっていますので、改行・タブなどの制御コードを入力しないよう注意します。
;meta[language=jp] ; id |key(hex)|key(str)| text 2110365000|4d5f8b0c||Mods 2110365001|d82f25be||Friendly HUD 2110365002|00331264||HUD 2110365003|060c4b8c||戦闘モジュールを有効にする 2110365004|a26f225c||抜刀時に戦闘モジュールを有効にする (以下略)
次に、MODのID空間番号を確認します。ID空間番号はMOD毎に割り当てられた分類コードのようなもので、後で文字列ファイルをエンコードする際に必要となります。
id列の4桁目~7桁目がID空間番号です。この例ですと0365ですね。この番号を控えておいてください。
翻訳が終わったらファイルを次の形式で保存します。
手順3:表示不可文字のチェック
一般的な日本語フォントでは約7500種類の文字(半角文字+JISX0208漢字)が表示できますが、The Witcher 3 日本語版では2830種類しか表示できません。
対応していない漢字を表示しようとすると■に文字化けします。
拙作のツール TESVKanjiChecker を使えば、文字化けする文字を事前にチェックすることができます。
元々Skyrim用のツールですが、オプションのパッチを使えばThe Witcher 3にも対応できます。
手順4:文字列ファイルのエンコード
コマンドプロンプトを開いてw3strings encoderのインストールフォルダに移動し、次のコマンドを実行します。
ID空間番号はMOD毎に違いますので間違えないように注意してください。
実行するコマンド:
w3strings -e jp -i ID空間番号4桁
実行例:
C:\Witcher3wk\tools\w3strings encoder>w3strings -e jp -i 0365 w3strings decoder/encoder v0.3.3 INFO - ENCODING jp to jp.w3strings (testscript: jp.w3strings.ws) INFO - opening jp... INFO - identified language: jp INFO - verifying string ids are within [2110365000..2110365999] INFO - creating jp.w3strings... INFO - storing language: jp INFO - storing 73 strings INFO - creating jp.w3strings.ws...
これで次の2ファイルが作成されます。
- jp.w3strings :日本語用文字列ファイル
- jp.w3strings.ws :テスト用スクリプト
jp.w3strings.wsはUTF-8形式で作成されますが、Witcher ScriptではUnicode(UTF-16)形式でないとマルチバイト文字が正しく読み取れないので、Unicode(UTF-16) BOM付で保存しなおします。
手順5:インストールとテスト
作成したファイルを次のフォルダにコピーします。
ファイル | コピー先フォルダ |
---|---|
jp.w3strings | TW3フォルダ/Mods/対象のMODフォルダ/content |
jp.w3strings.ws | TW3フォルダ/Mods/対象のMODフォルダ/content/scripts |
testUtils.ws | TW3フォルダ/Mods/対象のMODフォルダ/content/scripts |
※testUtils.wsはw3strings encoderにバンドルされています。
The Witcher 3を起動し、ゲームデータをロードします。
F2キーを押してデバッグコンソールを開き、次のコマンドを入力します。
test_verifyW3Strings()
※日本語キーボードで記号が打ち込みにくい場合、Ctrl+Vでペーストすると楽です。
次のようなメッセージが出れば正常です。FAILEDと表示された場合、エンコード失敗・テストスクリプトと文字列ファイルの不一致・テストスクリプトの文字コード不正の可能性があります。
後は実際にゲームをプレイして日本語が正しく表示されることを確認します。
テストが完了したらjp.w3strings.wsとtestUtils.wsを削除します。
その他のヒント
The Witcher 3のModsフォルダに余分なファイルを置かないこと
パソコンでの作業時に、ファイルを同一フォルダやサブフォルダにコピーしてバックアップすることが良くありますね。
The Witcher 3のModsフォルダでこれをやるとバックアップした古いファイルが参照されることにより日本語化がうまくいかない(修正しても修正しても古い翻訳結果が表示される)結果となりますのでご注意ください。
The Witcher 3/ Mods/ modHogeHoge/ content/ jp.w3strings <-- これをいくら修正してもbackupフォルダの古いファイルが参照されてしまう! backup/ jp.w3strings
日本語用文字列ファイルの配布について
- MOD作者の許可を取りましょう。
- MOD作者に送って本体にバンドルしてもらうのが楽です。
- MOD作者にはエンコード前のテキストファイルとエンコード済みファイルの両方を送りましょう。
- MODによっては翻訳者向けのCSVファイルが用意されている場合があります。その場合は作者指定のCSVファイルを翻訳しましょう。
変更履歴
- 2016/06/12 13:30 - 公開
- 2016/06/16 20:00 - パッチv1.22に関する記述を追加
- 2016/06/17 08:00 - パッチv1.22のデバッグコンソールMODを追記
- 2016/06/25 12:00 - 日本語化済のMOD一覧を明記
- 2016/08/31 12:00 - パッチv1.30リリースに伴う修正
- 2016/09/06 11:00 - パッチv1.31についての追記
- 2016/11/09 05:00 - その他のヒントを追記
//